エネルギー代謝学第4回
「極性で読み解く水、油、細胞膜と…洗濯の科学!」
日程:2025年1月17日(月)終了しました →アーカイブ配信中!
時間:10:00〜13:00
総講義時間(アーカイブ配信):4時間40分
スライドPDF:90ページ
視聴可能期間:2024年2月6日〜3月31日
お申し込みは以下URLからお願いします
https://form.os7.biz/f/c3b05779/
全7回一括申し込み割引
全7回一括申込み割引:155,400円(¥33,600オフ)
第4回受講後に全7回参加へ変更の場合:160,400円(¥28,600オフ)
(本講座を単発受講後に全7回参加へ変更のケース:160,400円−28,000円 = 132,400円のお支払いで全7回受講申し込み可)
特典:全ての講座のアーカイブ配信を第7回終了後までご視聴いただけます!
6月ごろまで、いつでもバッチリ復習可。
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講義内容
今回の根幹をなすテーマは「水と油」です。
ハーパー生化学の2項目め、6ページから9ページの内容を中心に、水と油、極性と非極性を解説しています。
「水およびpH」の項目は、約900ページの教科書の、最初の最初に記載されています。生化学の基盤として必ず理解すべき、重要な理論です。
水、油、pHの理解を出発点として、幅広く日常的なテーマを生化学から解説しています。
Phase.1 極性と水和
まずは水(H₂O)は分子内に電荷の偏りを持つ「双極子」であることを理解します。
双極子であるということは、その分子は極性を持つということ。
水はその双極子の性質によって、水分子同士が水素結合によってネットワークを形成し、極性を持った物質を溶かす溶媒となっています。
極性を持った分子や分子の一部分を水分子が取り囲む現象を「水和」と呼びますが、極性分子またはイオンを水分子が取り囲み形成される「水和シェル」は今回の講義のキーワードであり、生化学はもちろんのこと、私たちが日常的に目の当たりにしている現象をエネルギー的に理解するための重要な手掛かりとなります。
- 遊離脂肪酸が細胞膜の脂質二重層を自由に通過できないのはなぜか。
- お酒を水で割って一晩以上寝かせると味がまろやかになるのはなぜか。
- マグネシウムを始めとするイオンが容易に皮膚から吸収されないのはなぜか。
- Mg経皮吸収の効果を証明したRCT(無作為化二重盲検試験)は存在しないが、CBDでは存在するのはなぜか。
- mRNAが容易に細胞膜を通過できるのはなぜか。
このようなことが、第2回講座からさらに解像度を上げ、本講座でメカニズムが明らかになります。
Phase.2 疎水性相互作用
イラストレイテッド ハーパー・生化学 原書32版のp.8-9で解説される疎水性相互作用は、生命科学・化学系を専攻する大学生のみが学ぶものであり、エネルギー代謝のように一般向けの健康・代謝系のセミナーなどで解説されることもないため、ほとんどの方が初めて目にする情報となるでしょう。
極性分子同士は引力によって結合するが、非極性分子(疎水性分子)はどのように集合するのか?
この仕組みを知ることで、Phase.1と合わせ「水と油は混ざらない」「似たものは似たものを溶かす」ことのエネルギー的な背景についての理解が完成します。
そして水と油を混ぜるための「乳化剤」や「界面活性剤」とは何か、それらは私たちの生活にどのように関わっているかを解説していきます。
Phase.3 洗濯の科学的メカニズム
水と油は混ざらない。では衣類に付着した油汚れや皮脂汚れを落とすものは何か?
洗剤は界面活性剤によって脂溶性の汚れを衣類から解離させ、ミセルに包み込み、水中へ分散させます。
本講義では、その仕組みをエネルギー、エントロピー、pHから解説します。
大きくクローズアップしたのは、2020年8月1日に販売開始され、翌年までに累計700万個という驚異的なセールスを記録した「洗濯マグちゃん」です。
世紀の爆発的ヒットの後、消費者庁より4月27日付けで景品表示法に基づく措置命令(優良誤認)を受け、社会的なニュースとなりました。
しかし「洗剤ゼロ」は一部の消費者から非常に魅力的であるため、現在でも根強い購買層に支えられています。
あれは一体なんだったのか?
洗剤ゼロで洗えるという真実は?
この問題をどこよりも深く、詳細に解説しました。これは基礎化学を解説するからこそ語れることです。
マグちゃんのメカニズムを通して界面活性剤の働きを逆説的に解説していますので、普遍的な知識として応用できるものです。
特許のカラクリ、一部の消費者の高い満足度はなぜ発生するのかという問題にも切り込んでいます。
そして度々陰謀論が流れる今はなき三洋電機製「洗剤ゼロコース付き洗濯機」のメカニズムや真相も解説。
Phase.3は、なんとなくエコ、なんとなく体に優しそうを基準に洗剤を選んできた人にとって、よりベターな洗剤選びの助けとなるはずです。
私もその「なんとなく」の一員だったのですが、本講座作成により理解を深め、家庭の洗濯物を「部屋干し臭無し」で洗えるようになりました。
Phase.4 農薬とホタテパウダー(強アルカリ剤)
最後に、今回の根幹をなすテーマ「水と油」を応用的に利用するために最適なテーマとして、一時期話題になった農薬を落とすことができると言われる「ホタテパウダー」について解説しました。
私たちは全ての農薬をひとくくりにしてしまいがちですが、親水性の強いもの、疎水性の強いもの、その性質は多種多様です。
pH12の強アルカリ剤であるホタテパウダーを溶かし込んだ水は、一体どのような種の農薬を落とせるのでしょうか?
今回の講座を通して、納得の見解を得られると思います。
基礎を知ることで応用が効きます。
基礎は難しいので、一般向け講座で語られることがありません。
その境界線を超えていくのが、私のエネルギー代謝学の醍醐味です。
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