エネルギー代謝学第4回の講座内容です。
第4回は「脂質と免疫」がキーとなっています。
これを「エネルギー」という視点から、地球上の種々の生物の生き方や生存戦略と照らし合わせる事によって理解していきます。
そんな講義です。
今までで最も面白い講義だという自負を持っていますが……内容を簡潔に説明するのが非常に難儀であります(笑)
生物種と進化の過程を理解し
生物共通の細胞の仕組みと
生物種やサイズによって異なる、生存に要求されるエネルギー量を理解し、
脂質代謝の基礎を交えながら
牛、馬、ゾウ、ラクダ、ハト、ダチョウ、スッポン、ワニ、ナマケモノ、ヒグマ、リス、鶏、ハダカデバネズミ、マウス、サソリ、カイコ、サボテン、カカオ、ココナッツ、卵、花粉、海藻……などなど、たくさんの地球上の生物たちがそれぞれ持っている脂肪酸組成の意味を理解しながら、オメガ6/3バランスの虚偽、中鎖、短鎖脂肪酸の意味などを生物学的なスケールで、やはり「エネルギー」を視点の中心に置きながら学んでいきます。
過酸化脂質、ALEs(脂質過酸化最終産物)、カルボニルストレスについてもバッチリ詳しく。
免疫とサイトカインについても、かなーりスッキリと本質をまとめました!
「熱、脂質、エネルギー」がどれだけ密接に関わりがあるか、掴んで頂けると思います。
以下箇条書き講義内容です。
- 復習・アルツハイマーの病理
- 生物の分類と進化
- 生物の目的「滅ばないこと、子孫を残すこと」
- 生物の代謝を決める「熱、体重、表面積、エネルギー」
- 恒温動物と変温動物
- 基礎代謝率と代謝速度「3/4乗の法則」
- 表面積と体温維持
- 体重が行動圏を決める
- エネルギー貯蔵ホルモン/消費ホルモン
- 全ての症状は「エネルギー再分配」の結果
- サイトカイン、ミオカイン、バトカイン、アディポカインの本質的な意味
- 脱共役タンパク質のメカニズム
- 脂質の消化吸収
- sn-1, sn-2, sn-3と脂質消化分解
- 脂質吸収不全の問題点
- 脂肪酸結合タンパク(FABP)とアルデヒド
- ペルオキシソームの代謝
- 不飽和脂肪酸のβ酸化
- 不飽和脂肪酸の過酸化メカニズム
- 過酸化脂質の代謝
- ALEs – 脂質過酸化最終産物
- ALEsのデトックスと代謝への影響
- ホスホリパーゼA2と脂質メディエーター
- オメガ3と6の代謝カスケード
- 植物のオキシリピンから学ぶ生物の普遍性
- 反芻動物のエネルギー代謝と障害 -家畜マニュアルから学ぶ-
- 短鎖、中鎖脂肪酸と抗菌活性
- 悪性脂質とカルニチン
- ハダカデバネズミ・長寿の秘密
- DHAで短命になる哺乳類のミトコンドリア
- 陸上哺乳類のミトコンドリアに最も重要なPUFA「リノール酸」
- イヌイット健康伝説の誤解を解く
- 日本の長寿村からヒントを得る
- 炭素数20以上の脂肪酸はもろ刃の剣
- PUFAで代謝を落として冬眠するリスとヒグマ
- 年中冬眠動物、ナマケモノの生態
- 妊娠中の脂肪酸組成の変化
- 中鎖脂肪酸とタイトジャンクション
- 成長、大型化と生き残りをかけた競争
- 階層制度で長寿を実現するハダカデバネズミ
- ヒトはなぜ例外的に長寿なのか?
and more!
エネルギー代謝学第4回「エネルギーから眺める生物、脂質、免疫」
開催日時
名古屋:9月21日、22日(終了しました)
大阪:10月19日、20日
東京:11月2日、3日
受講料
一般:3万円
非一般:6万円
受講資格
- 昨年の生化学セミナー全6クラスを受講されている方
- エネルギー代謝学第2回以降を受講されている方
受講資格を満たさない方で、今回受講希望される方は個人的にご相談ください。