今回は本格的な生化学講座になります。
講義内容
- TCA回路と電子伝達系の基礎
- TCA回路の酸化系(エネルギー産生系)と還元系(生合成系)の理解
- NADPH産生系の全貌
- 解糖系とTCA回路を合わせた生合成系の全貌
- キノンサイクル
- 大きく違う複合体IとIIの性質の確認
- TPP依存酵素(PDH、α-KGDH)活性の生理的意義
- α-ケト酸代謝と生合成系
- 水溶性ビタミンの生理的意義
- 脂肪酸のβ酸化
- ケトン体の生合成と利用
- タンパク質、アミノ酸、アンモニアの代謝
上記のような生化学の基礎をじっくり学びつつ
「細胞は何を望み、ストレスにはどのように対処するのか」
「慢性的な抗ストレス状態は、細胞に何をもたらすのか」
を考えていきます。
そして基礎を踏まえながら
- かつての日本で脚気が国民病となっていたのは何故か
- 全ての脳神経疾患、脳機能低下は「糖のエネルギー代謝障害」の結果である事
- TCA回路内のα-KGDHがROSを産生する生理的意義
- NAD+/NADH比の低下が老化や疾患の根幹にある事
- アルツハイマー病は血液脳関門の破綻から始まる事
- そしてアミロイドβが体内産生される事には重要な生理的意義がある事
- AβあAβオリゴマーの除去を試みれば「癌」へ繋がる事
- GAPDHとAGEs(終末糖化産物)の生理的意義
- グルコサミン投与と体内産生でインスリン抵抗性が発生する事
- ROSの産生場「呼吸鎖」と、そのターゲットとなるPUFA
- アルデヒドが広範囲に糖代謝経路を阻害する事と、その生理的意義
- ポリオール経路(体内での果糖生合成)の生理的意義
- 視力低下の本当の原因
- アルコール代謝の全貌と、飲酒の善悪の考え方
- 長寿遺伝子サーチュインが教えてくれる事「NAD+/NADH比」の重要性
- 脳ー肝臓ー全身のネットワークとインスリン感受性の重要性
- 糖新生とタンパク代謝
- 全てを繋げて俯瞰し「電子の流れの障害=老化、病気」であると理解する事
こんな事をレクチャーさせて頂き、質疑応答を交えながら皆で理解していく事を目指します。
エネルギー代謝学第3回「糖代謝メカニズムの全貌 後編」
開催日時
名古屋:8月3日、4日(終了しました)
大阪:8月24日、25日
東京:9月7日、8日
受講料
一般:3万円(東京のみ3万2千円)
非一般:6万円(東京のみ6万4千円)
受講資格
- 昨年の生化学セミナー全6クラスを受講されている方
- エネルギー代謝学第2回を受講されている方
セミナーの開催場所は下の記事内から確認できます。
一般、非一般の区分はこちらでご確認ください。
今回の講義でご理解頂ける内容を象徴する一文を、
イラストレイテッド ハーパー・生化学 原書30版 (Lange Textbook シリーズ)
から引用します。
ラジカルは、細胞情報伝達、
特にDNA障害が起こっている細胞に
アポトーシスを導く情報伝達において重要である。
高濃度の抗酸化物質は、
組織を傷害から保護するというよりも、
むしろ情報伝達に関わるラジカル類を
消去する可能性がある。
その場合には、
傷害を受けた細胞が引き続き生存できることになり、
がんの発生リスクを減らすよりも増やすことになる。
このような「還元ストレス」を理解できる、
国内最高峰のレクチャーをご用意させて頂いたつもりです。
刷り込まれた善悪論を消去し、
真実を掴みにいきましょう。