本日のテーマ、山羊座の支配星(ルーラー)、土星(Saturn)。Saturnの語源はローマ神話で農耕の神とされる、サートゥルヌス(Sāturnus)。
左の絵は、スペインの画家フランシスコ・デ・ゴヤの絵画作品で、「我が子を食らうサトゥルヌス」。
ローマ神話に登場するサトゥルヌス(ギリシア神話のクロノスに相当)が将来、自分の子に殺されるという予言に恐れを抱き5人の子を次々に呑み込んでいったという伝承をモチーフにしており、自己の破滅に対する恐怖から狂気に取り憑かれ、伝承のように丸呑みするのではなく自分の子を頭からかじり、食い殺す凶行に及ぶ様子がリアリティをもって描かれている(wikipedia)。
中央と右の絵は、茶んた(@Chanta_in_inari)さんのパロディ作品を、ねとらぼからお借りしました。自分のエゴや妄想のために我が子を食う狂気に犯されるも、強靭な強さと優しさで子供や大事な人々を守るも、Saturnです。
Saturn(土星)は、錬金術では鉛を意味します。鉛の重さは、人生にとって何の意味があるのか。そんなことを頭に浮かべながら読んで頂けたらと思います。
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春のセッションの最後のレポート作成〜大阪、名古屋でのメタトロンセッション〜スマートレポートとメタトロンの新しい説明書作成と、やることが山盛りだったので更新が遅れました。
何の話だったか忘れた人が大多数だと思いますので、これまでの記事リンクをまず貼っておきます。正直、長いし難しいし、占星術のことが分からないと読めない内容で、、、頭に入りにくいと思います。しかしとても勉強になる、他では学べない内容だと自負してますから、何度でも読み返してください。
- honoiroのメタトロン・セッションが目指すのは「深い気付きと自己理解」の提供 ★★
- なぜ占星術を使うのか/複数のチャートを使う理由 ★★
- 創造的に生き、全てを学び尽くす為に人生は在る ★★
- クライアントへ送ったメタトロンセッションレポート no.1 ★★
- 女性Aさんからのレスポンス −本音が次の扉を開く− ★★
- クライアントへ送ったメタトロンセッションレポート no.2 ★★
- 闘争・逃走反応の本質 ★★
- 女性Aさんからのレスポンス no.2 ★★
8番目の記事は、以下について解説するとして終わりました。
- 女性Aさんの土星問題
- IMCクリニックなどの治療院と、私の役割の違い
- 占星術から見えてくる自己理解の鍵
順に解説していきたいと思います。まずは「土星問題」について。
女性Aさんの土星問題
まず、2つ目のセッションレポートを送った後の、女性Aさんからのレスポンスを受けて、私が女性Aさんに送ったメッセージを読んでください(前回転載したものです)。
1点だけ、こちらでも直接お伝えしたく、、、
土星!土星!山羊座!と念を押して、その重要性をレポートを書いたつもりなのですが、文章(水星)に、もう少し土星と山羊座感覚があったら、とても良くなると思います。
土星=無駄を削ぎ落とす/良い意味での固さ/安定感
山羊座=平衡感覚
水星は土星とタイトにオポジションを形成しており、これは女性Aさんのキーアスペクトです。1ハウスは、他の全てのハウスに影響する個性の源流です。
こうやって後からご連絡頂いているので理解していると思うのですが、、、
1ハウス、シングルトンの土星を、水星ー土星のオポジションを生かせば、女性Aさんはもっと輝けると思います。2週間前に、私が再度の念押しを送ってから、初回レポートの返信までの女性Aさんの文章の空気感の方が、素敵だと思います。
私は、先に転載したメッセージで、コミュニケーション(水星)に、もっと土星感覚(無駄を省く、良い意味での固さ、安定感)や、山羊座感覚(平衡感覚)をのせたほう良いだろうと伝えました。
それが、女性Aさんに必要なことだからです。そう、彼女の占星術のネイタルチャートには書いてあります。これは生まれ持って与えられたものではなく、死ぬまでに完成させる課題です。
土星は女性Aさんの重要な天体のひとつです。
1ハウスの象意
基本的個性、衝動、個人の力のはじまり、行動パターンと動機、世界観、仮面、第一印象、外見、健康
1ハウスのはじまりがASC(アセンダント)です。占星術では、ASCは最も重要な感受点として認識されているものです。ASCは自分の人生のテーマでもあり、世界観(レンズ、ヴィジョン)でもあります。そのASCから始まるのが1ハウスです。
1ハウスにある天体は個人の力のはじまりとして、全ての行動のベースにある原動力として働くので、とても重要です。1ハウスの天体は自分の世界観を構成する一員ですから、1ハウスが輝くことで全体の方向性が整い、個人の力が底上げされます。
そして女性Aさんの場合は特に重要となります。土星が、唯一東半球にある天体であり、シングルトンとなるからです。1ハウスのシングルトンの天体は、個人の力(1ハウス)を発揮するために、際立った意味を持つ(シングルトン)ことになります。
その1ハウスに在室するシングルトンの土星が、最もタイトにアスペクトを持つのは、7ハウスの水星です。この水星は、木星と月のノード軸(ドラゴンヘッド/テイル)と冥王星に、極めて正確にアスペクトを持っています。人生のチャンスを切り開くものであり(月のノード軸)、底知れぬパワー(冥王星)を発揮できる天体でもあります。
水星は、月という個人的な欲望から離れ、全惑星意識へ繋がっていくための最初の出発点です。その水星は、大きな力を持つ土星と冥王星の課題に取り組むことが運命づけられています。
土星と冥王星の課題に取り組んでこそ、木星(発展)と、月のノード軸(個人的な可能性を拡大するチャンス)の恩恵が与えられます。
10天体の中で、最も大きな力を持つのは冥王星です。冥王星の力を扱うためには、土星という課題に取り組む必要があります。
土星の象意
制限されていること、苦手意識、渇望感、社会的責任、目指すべき目標、最終的な達成イメージ
以下は、
- なぜ占星術を使うのか/複数のチャートを使う理由 ★★
からの女性Aさんが私にセッション後に送ったメッセージからの抜粋です。
私が感じたこと、言いたいことを言ってしまうと、現在の場所では生きていけないので、いつもため込んで、たまに見えないところでキレてます。そういうのにも疲れて、あきらめたつもりでいたら「無関心」がでました。
とても屈折した内面ですが(今日のメタには出ました)、取り繕う技にたけているので誰もが、凛として強そうで、しっかりしている人、みたいに言われます。内心読めないとか、冷たそうとか覚めてるもあります。親に言われた。
でも、こうして自分を知ろうとあれこれしているのは、素直に自分の気持ちや意見をいってこなかったから、まだもがいてんじゃん?って。
これらは女性Aさんの1ハウス、双子座の土星を象徴しています。コミュニケーションによって理解すること、されること(双子座)への、苦手意識と抑圧された気持ち(土星)です。外見(1ハウス)に、冷たそう(土星)というのも同様です。
ただし、「私が感じたこと、言いたいことを言ってしまうと生きていけない」とか、「素直に自分の気持ちを言ってこなかった」などと言われると、ブログ1本書きあげるのに何日も使いながら、神経を擦り減らして、言葉を選び文章構成を考える私からすると、「冗談は休み休み言ってもらえますか?」と返したくなる感覚になります。
ここに公開した以外の女性Aさんのメッセージの数々に、私や悦子は「自分を全開に出来て良いよなぁ」と心から思います。メールに相手のことを考えずに、自分の言いたいことを書きまくりですから。鬱陶しくて無視しても、まだメールが来るわけです(笑)。
本来、土星ー水星の180度アスペクトは、言語・コミュニケーション感覚(水星)が、制限、責任、無駄を省くこと(土星)を常に意識しているので、もっと重く、スタイリッシュに、丁寧な言語感覚であっても良いはずです。
これがちっとも見えてこなかったのは、土星よりも影響力の強い冥王星の影響です。水星ー冥王星の72度(キンタイル )は、強引で極端な感覚(冥王星)が言語・コミュニケーション感覚(水星)へ、外界から全く影響を受け取らない形(72度)で発揮されます。水星に、冥王星の力が乱暴に働いているということです。
しかし裏を返すと、水星ー冥王星の72度は創造的な知性の探求と自己表現に強い適性があります。外界から影響を受けすぎると、本当の自己表現は出来なくなります。誰にも影響されずに自分を表現できる言語・コミュニケーション能力がある、または創造的な知的探究能力がある、それが水星ー冥王星の72度アスペクト(キンタイル )です。
破壊と再生の星である冥王星の力をコントロールするには、土星の堅実さが必要になります。山羊座は平衡感覚(バランス感覚)であり、山羊座のルーラーが土星です。土星は、恒常性を保ちます。
土星に恒常性を保つ力が不足すれば、冥王星の圧倒的な力に、自分自身が破壊される事になります。
だから、女性Aさんの鍵は土星です。1ハウスに、東半球に唯一ある天体が土星です。ASCや1ハウスは、内なる自分(IC、4ハウス)と外向きの自分(MC、10ハウス)をつなぐ接点です。1ハウスの天体は、本当の自分(IC)と、社会的責任を果たすための自分(MC)をつなぐための重要な仮面です。
ASCと1ハウスの課題に取り組み、生かしていかなければ、内なる自分(女性AさんのICは獅子座)と、社会的責任を果たすための自分(女性AさんのMCは水瓶座)が、うまく連携が取れなくなります。
つまり、「私が感じたこと、言いたいことを言ってしまうと、現在の場所では生きていけない」とか、「素直に自分の気持ちや意見をいってこなかったから、まだもがいてんじゃん?」という気持ちを抱えてしまうような現実が訪れます。
これはセッション後1週間後に女性Aさんから送られてきたメッセージの抜粋ですが、
他者の感情感覚を受けてしまうのが性分ですが、逆手にとって
、コミュニケーションに集中すると、とてもスムーズに対応できました。
それまでは、メンドクサイ、そんなこともわからないのかと
イライラしていました。
それが、俯瞰しつつ自分を押し付けないで聞いたうえで、意見することが
できています。
な、レベルですが。
無関心ではないところでの、対応かと。
こんないい加減で傲慢な文章を人に押し付ける癖に、自分のコミュニケーション能力の無さを棚に上げて、全てを他人のせいにしてイライラするようにもなってしまいます。物事を自分以外の何かのせいにするのは、精神的に未成熟な人たちの共通した特徴です。(または、「全部自分が悪いんです」と自己犠牲的なふりをして、全く自分を改める気がないパターン。)
土星(山羊座、MCも)は社会的責任です。それは当然苦労を伴う、重たいものです。
その苦労の先に、苦労したテーマに対しての優秀な導き手となります。苦労して習得したものは、どうして自分が苦労したのかを心得ているので、同じ心境の人達の力強い導き手となります。
若い頃こそ苦手意識を与えられてしまう土星ですが、それを達成したいという渇望感を同時にもたらし、精神的な成長と、苦手意識を乗り越えることによる心の安定を促します。土星は成長に時間をかけさせます。時間をかけなければ、他者を導くほどの優れた指導者にはなれません。
30代も後半になれば、土星の苦手意識は薄れ、だんだんと自信へ変わっていきます。太陽という個人の意志は、もう土星という到達点を見据えて安心しています。土星は、年を追うごとに、木星のような発展を与える要素になっていきます。土星のどっしりとした安定感で、他者を導く能力を身につけているからです。
しかしこれは「努力を重ね続けてきていれば」の話であり、努力をしてこなかった人には、土星は若い頃のような苦手意識やコンプレックスを与え続けます。人生は精神的な学びのためにあるので、学びきっていない課題を、宇宙は死ぬまで与え続けます。人生の課題が自然消滅することはありません。
女性Aさんの場合、1ハウス、シングルトン、双子座の土星に、水星がオポジションです。水星は人生で活躍する主要なフィールドである7ハウスにあります。言語、コミュニケーション、または知性において、何かずば抜けたものを身につけていても良い配置です。双子座の土星は、適切な言葉を選ぶ秀逸な能力を、安定した知的能力を、後天的に身につけていきます。
これを、女性Aさんは全然出来ていない訳じゃない。
5.女性Aさんからのレスポンス −本音が次の扉を開く− ★★
「表現力が幼稚で申し訳ないのですが…」という言葉から始まるこのメッセージは双子座の土星らしい言語感覚へのコンプレックスを感じますが、このメッセージは、この場で、私と、馴れ合いの関わり方をするべきではない事を、今ここで自分と私に向き合うタイミングであることを正しく認識し、前を向いて、適切な言語感覚を発揮したと思います。
それは私も嬉しかったですし、だからこそ、臼蓋形成不全をメタトロンがキャッチしていた事を発見したことから、さらなる分析をしてみたいと思って、次なる分析レポートを書きました。
ところが、莫大な時間とエネルギーを注ぎ込んで作成したレポートno.2に対する女性Aさんのメッセージは、少し残念さが残るものでした。
8. 女性Aさんからのレスポンス no.2 ★★
いつも感覚に任せて書くので、起承転結が伴っておりませんが、できる限り思うところを素直に書きました。どうも、長くダラダラ感が否めません。せっかちなので、求められてもおりませんが早くご返信したいとガツガツ書きました。
何が問題かもう理解しているのだから、自分のせっかちは飲み込んで、相手が何を求めているのかを考えて、読みやすいような起承転結を構成して、時間がかかっても良いから丁寧な文章で返して欲しかったです。
これは、マイペースな牡牛座のASC、自己中心的な獅子座のICと、獅子座のサイドリアルの月、他人の感情に鈍感な射手座のドラコニックの月が、双子座の土星と太陽山羊座の課題を放棄して、いつもの癖のまんま、冥王星と水星のキンタイルらしく一方的に、相手に自分の想いをぶつけてしまった、、、といった所でしょう。
一度頭で理解しても、何度も体験的に学習しなければ、人は大事なことであっても、すぐに忘れてしまいます。
放棄された土星の課題ですが、サビアンシンボルまで読めば、より明確に問題が浮かび上がります。
双子座16度「自己の論理をドラマティックに感情的にスピーチする女性」
この度数では、クールな双子座が、ホットな射手座の影響に飲み込まれます。非常にアピール力が強く、自分の考えを人に押し付け、人のテリトリーを侵害する傾向があります。
決してこれが悪い度数だと言っているのではありません。水星ー冥王星の72度のように、外部から影響を受けずに人に訴えかける力強いアピール力を持っている度数で、女性Aさんは土星のサビアンシンボルが双子座の16度なので、それが自分のひとつの最終的な達成イメージや、社会的責任を負うテーマである、ということになります。
面白いもので、「直居サビアン占星学―占星学教室 / 直居アキラ著」によれば、以下のような説明があります。まさに女性Aさんのこれまでの人生を表現しています。
「自己主張によりエゴが肥大し、社会的生活や家庭や結婚生活が上手くいかなくなるケースもあります。」
「特に大変というほどではないが、カルマを果たさせようとする精霊。」
「あなたはいつも何かから逃げたいという所なのかしら。逃げるのも厳しいと知るまで、気持ちの上で逃げ続けるかもね。結局、あなたのエゴ様を壊すしかないと悟れば、あなたは本当に優れた人になるのだけれど。苦しいと思えることも、本当は苦しくないことなの。がんばって。」
1ハウスには「健康」という象意もあり、1ハウスの課題から逃げようとすると、または方向性を間違うと、健康を損ないます。1ハウスは世界観やヴィジョンですから、1ハウスの方向性が間違うと、その後の全てに歪みが生じます。だからこそ、正しい方向へ導くためのメッセージを肉体へ強く発します。
土星を説明する文章として、「石井ゆかりの星占い教室のノート / 石井ゆかり著」のなかに素晴らしいものがあったので、引用します。
「動物のお医者さん」という有名な少女マンガに、「ラジカセ犬パフ」という犬の話が出てきます。
パフは小さな子犬の頃、外に出されるときは、ラジカセに紐で繋がれていました。子犬の力ではラジカセは動かせないので、いい重しだったのです。それから数年経って、パフは立派な成犬になったのですが、ラジカセに繋がれると、やっぱり、ラジカセの周りをうろうろして、逃げようとしません。子犬の頃、ラジカセをどんなに引っ張っても動かせなかったので、成犬になっても、動かせないと信じているのです。
私は、土星とはどうも、このラジカセなのでは、という気がするのです。私たちは誰もが、心の中に、こんな、「動かせるのに動かせないと思い込んでいる何か」を持っていて、その周りをぐるぐると回って悩んでいるところがあるのではないでしょうか。
本当はできるのに、出来ないと思い込んでいること。このことのせいで、望みの場所にいけないのです。
ああしたい、こうしたい、どうしてこうならないのだろう。
遠くにある「いいもの」を眺めながら、もう簡単にひきずって動かせるラジカセに、縛られ続けているのです。
経験を積み、さまざまなことを学び、自分を鍛えてきた今なら、それは、引っ張れば簡単に、動かせるのではないでしょうか。そして、ずるずるとついてきて邪魔かもしれないけど、欲しいものがある場所までなら、我慢して引きずって行けるのではないでしょうか。
さらに、そうして引きずって歩いているうちに、私たちの身体には、素晴らしい「筋肉」「力」が鍛え上げられ、身についているはずなのです。
土星は、社会的責任を負えるような強さを身に付けるために、若い頃から「重み」を与えます。その重みを味わい尽くしてこそ、他者を守るための強靭な精神がつくられます。だから土星は、権威や父性も象徴します。強靭な精神無き者に、権威という社会的責任や、一家の長としてパートナーや子供たちを守る事は出来ません。
社会生活でもプライベートでも、問題がおきても、自分を振り返り反省しないので同じことを繰り返してきました。うまくいかなくなると、カウンセリングを受けたり、心療内科に通ったりして「素直に」「ありのままで大丈夫」と言われると、鵜呑みにして終わっていました。しかも、また残念なことに「素直」と「我儘」を混同もしていました。
今までメッセージのやり取りでも、何度も悠馬さんにご迷惑をおかけしました。悠馬さんの立場に立って考えればわかることなのに、それもしないでいて、はっきりと直球で言われなければ、理解できませんでした。
「お前を甘やかしすぎた!」と唾を飛ばしながらブチ切れた主人をみて、その感情に同調してグラスを壁に投げつけた自分が今は笑えます。
女性Aさんは自分で文章化出来ているので、もう自分自身の何が問題なのかを、頭では理解しています。2度の離婚経験を含む今までのパートナーシップの問題、職場などで他者に理解されない原因、体調不良の根源的な問題がどこにあったのかを。
しかし頭で理解したつもりでも、なかなか癖が抜けきらないのが人間です。その癖とは「月」です。
女性Aさんの場合は、水星と土星に月がそれぞれスクエア(90°)のアスペクトを持っているので、言語・コミュニケーションにおいて、自分の素の感情との調和がやや困難となります。しかし土星と水星のオポジション(180°)が生きてこそ月(素の感情、動物的本能、インナーチャイルド)が満たされるという複合アスペクトです。
土星が生きてくると、水星は冥王星の力を上手く扱えるようになり、その水星は、月のノード軸に大きな力を与えます。7ハウスが人生の主要なフィールドであるのは、この配置で明らかなので、対人関係を大事にすることで、人生は飛躍します。
だから頑張って欲しいなと思ってます。対人関係によって飛躍していくのですが、そのためには、7ハウス(対人関係の部屋)の水星(言語・コミュニケーション)へ強く意識を投げかける(180°)、土星という自分の仮面(1ハウス)を上手く扱う必要があります。
ところが、一連のブログを掲載した後に送られてきた女性Aさんのメッセージも、もう1歩頑張って!と伝えたくなるものでした。
悠馬様
ブログを拝見いたしました。
さらに客観的にみることができ、掲載のご依頼にも感謝の気持ちでいっぱいです。
私は悦子様にもお詫びをお伝えしなくてはなりませんでした。
カウンセリング直後の、今となっては見るに堪えないメッセージの送り先の件です。
送り先を悦子様としたのは、カウンセリングの予約や手続きについてお返事いただけていたのが悦子様だったので、感想などもメールはまず悦子様に送ったほうが親切ではないかという、
ここでも勝手な判断をし、ご迷惑をおかけしたことになったのでした。
改めて、お詫びを申し上げます。
すみません、少しご報告です。
股関節の詳細のレポを頂戴したとき、ふと、愛知の妹に「調子はどう?」と
メールをしました。
度々痛みはあるが、子育ても落ち着いた今は割と楽だということでした。
そのやり取りで初めて知ったのですが、なんと弟も股関節が弱く、仕事は車の生産ラインの作業で、最近になって負担のかからない部署に異動しているとのことでした。
二人とも年齢とともに、動きにくさや痛みが増しているようです。
これから自他ともに観察していこうと思います。
ブログを読んでおりまして、アンパンマンの唄を聞いていたら
感動して泣いてしまいました。
歌で感動したことなど、、、いつぶりでしょうか。
遠い昔にブルーハーツの「青空」で泣いたくらいです。
続きを楽しみにお待ちいたします。
女性A
細々とした苦言を書くようで私自身も陰うつとした気持ちになるのですが、大事なことなのでストレートに書きます。
>感想などもメールはまず悦子様に送ったほうが親切ではないかという、ここでも勝手な判断をし、ご迷惑をおかけしたことになったのでした。
このメール内容は「なぜ占星術を使うのか/複数のチャートを使う理由 ★★」に転載してあるのでお読み頂ければと思いますが、このメール内容を友達でもない、会ったこともない人間に送りつける事の一体どこが親切やねん!!という内容です。
言葉使いも不適切。内容も感謝を伝えるつもりで書いたのかもしれませんが、結局はさらなる質問がしたい(しかも、バニラさんの講義内容の事、、、)、自分の感情を吐露したい気持ち、自分のことをわかって欲しい気持ちが噴出しているだけ、悦子に対する親切心など一体どこから読み取れば良いのかという、メール内容そのものの問題を私は指摘しています。
それを理解するのがコミュニケーションです。しかし批判を受けると、「逃走・闘争反応」が即座に癖として出てきてしまいます。
そして家族の股関節の痛みについての報告です。私は、股関節の問題が遺伝性のものであると理解した上で、どんな症状でも、そこにはメッセージが込められているから、読み取って人生に有意義に利用して行きましょうと直接伝えているし、ブログにくどい程に書いているはずです。
女性Aさんもそれに対して、「股関節の件も、見ていただきありがとうございます。『先天性で片づけてしまっては面白い未来が描けない』という言葉に、感動しております。」と私に返したので、理解しているはずなのですが、、、
遺伝性のものと既に理解している家族の股関節不調を私に知らせることで、一体その後に何を望んでいるのでしょうか? 特に何も考えてはおらず、弟も股関節が弱いと姉に聞いて驚いたから、単純に私にそれを伝えたのだと思いますが、悪気はないとしても、これでは大人はダメなんです。
それを聞いたところで、何も私は会話を発展させる事は出来ません。ご家族のことを全く知らないからです。ご家族のことまで私に知って欲しいと思うのであれば、それは過剰要求です。私は女性Aさんを知り、明確に理解していただくための文章化に最大限の努力しています。おそらく、旦那やご家族でも、ここまで女性Aさんの事を考えるという事はしないでしょう。
何より、「遺伝性だとしても、そこからメッセージと可能性を考えて、未来へつなげていこう」と伝えているのに、その主旨に反しています。コミュニケーションは決して相手の主旨に賛同する必要はありませんが、その場合は、どうして自分はそのメッセージを伝えるのかという、理由づけを丁寧に行う必要があります。
何気なく、何となく思った事を、ダダ漏れのように話して良いのは、家族や親友に限ります。私と女性Aさんは、家族でも親友でもありません。
占星術から見えてくる自己理解の鍵
ここまでお読み頂き、女性Aさんは何か自己像を誤って理解していると思わないでしょうか?
最初に送られてきた問診票には出だしから、
主人(太陽 獅子 月 水瓶)と私(太陽 山羊 月 乙女)のなんかやばそうな二人暮らし
と聞いてもいないことが、極めて不適切な言葉使いで書かれている。
メンドクサイ、そんなこともわからないのかと、イライラしていました。
人の感情が手に取るようにわかるのです。
みんなそれを感じないんだって、それが不思議なんです。それに対峙するとイライラするので見ないふりしてます。
全然他人の感情がわかっていないのに、勘違いして勝手にイライラ。
素直に自分の気持ちや意見をいってこなかったから、まだもがいてんじゃん?
いや、私や悦子から見れば、羨ましいほどに素直に自分の気持ちを出しまくってます!(笑)
これは獅子座、射手座の強さ、水星ー冥王星の72度から主に来ている影響なのでしょう。
女性Aさんは、自分を出せないのが問題ではありません。ここまで転載してきたメッセージの数々を読み返せば明らかですが、自分から他者にメッセージを投げることに関して、気遅れは無いタイプでしょう。
1ハウスの双子座の土星、水星と土星のオポジションという意味では、自分のヴィジョン(1ハウス)を、言語化(双子座、水星)して伝えられずにコンプレックスになる(土星)と読むことが出来ますし、実際に女性Aさんはその通りになっている面があると思います。
しかし、土星の意味するものは、、、時間をかけて、土星のテーマに対して権威を持てるような力をつけることです。40代後半の女性Aさんは、もうこれがある程度出来ていないといけません。
出来ていないと、どうなるか。土星は社会的責任ですから、社会的責任をまっとう出来ない大人は、他者から認められないという現実が待っています。これがますますコンプレックスを生み出します。人生の課題が、自然消滅する事はありません。
土星は、骨格や外壁を象徴します。骨組み、壁が脆い状態は、容易に冥王星に破壊されます。破壊して、新しい自分を再生する必要があるためです。
この冥王星(強引、極端さ、支配的)が、水星(コミュニケーション、言語)を制御不能な状態に陥れます。これで他者やパートナーとトラブルを起こし、方向転換のための気付きを得るためです。
では、どうしたら自分を安定させることが出来るのかという、女性Aさんに必要な答えは、、、、やはり土星でしょう。
情動伝染を受けやすい=他人の感情を理解できる能力では無い
近年、自分はHSP(Highly Sensitive Person)だと申告する方が増えています。私の昔のカウンセリングから、今のセッションでも、4、5名は居たでしょうか。
HSPは、「場や人の空気を深く読み取る能力に長けているが、情報を読み取りすぎるために必要以上に疲れてしまう」という体質を定義しています。
しかし過去に私に対して「自分はHSPである」と申告してきた全員が、むしろあんまり他者に配慮が出来ないな、、、という印象の持ち主でした。総じて、場の空気が読めないのです。
女性Aさんは私にHSPだと申告したのではありませんが、自覚していることは同じです。女性Aさんや、今まで私に自分はHSPだと申告してきた人の中には、占星術のチャートを見れば確かにそうなるだろうと考えられる要素があったりします。例えば、ICやASCへの冥王星や海王星のタイトなアスペクトです。
他人の気持ちを理解する、他人に自分を理解してもらう、他人と分かり合うというのは、普通に考えてもらえば分かると思いますが、容易ではありません。忍耐、努力、想像力が求められます。
自分自身も、今になってようやく出来るようになってきたという感覚で、若い頃は他者の気持ちの理解が出来ませんでした。特に20代前半までは、顕著にそういう性格だったと思います。私は女性Aさんよりも情動伝染を受けやすい性質と考えられるネイタルチャートを持って生まれてきていますから、情動伝染を受けやすい私の体質は生まれ持ってのものです。しかし20代前半まで、明らかに他者の深い感情に対して理解が出来ない、理解しようとしない性格であった事を、自分で理解しています。
私は蠍座の土星を持っているので、他人の深い感情を理解し、深く繋がり信頼関係を築くことに対して、大きなコンプレックスを持ち、失敗を重ねて生きてきました。でも確かに、蠍座のような自分でありたいという気持ちを昔から持っています。だからこそ努力を重ねてきました。それでようやく、今30代後半ですが、試練や苦悩は訪れたとしても、コンプレックスというものはありません。
どんな人にも当てはまること、自分自身を正しく理解すること、理解したら目標を定めて努力すること。
女性Aさんは他者から影響を受け過ぎるから、自分を出せないのではないし、苦しんでいるのではないです。他者との相互理解のためのコミュニケーションに対する努力を怠ってきたので、認めてもらえない事が原因で自分を出す事ができずに、苦しんでいるのです。
月は5ハウスという「自己表現」のハウスにあります。それが発展の星、木星からイージーアスペクトを受けています。3つの月のうちの2つが火のエレメント、1つは自己表現の星座である獅子座です。水星と冥王星のキンタイルについては、前途した通りです。誰からも影響を受け取らずに、自分の言語表現が出来ます。さらにこの冥王星は、5ハウス(自己表現のハウス)にあるのです。
根源的な自分であるICは、やはり自己表現を得意とし、他者から影響を受けない獅子座です。
これをサビアンシンボルまで調べれば、さらに理解が深まります。以下、「定本サビアン占星学―サビアンシンボルで知る人生の意味と目的 / 直井アキラ著」より抜粋。
獅子座7度「夜空に輝く星座」
シンボル解題【真理の探究、名声、芸術や技術、未知の世界】
このディグリーの人の人生は、内的に充実したものとなるだろう。真理や精神的価値の探究、名声の確率といったレベルの高い自己実現が目指されている。この人は、人生のところどころで自己にとって最も価値あるものは何か、と問うと良い。何のために生まれてきたのか考えてもよい。満足できる答えが出て来ない時は、まだ内部に眠れるテーマがあることになる。そしてそれは、いずれ見出されるだろう。一度、自己の深い価値や使命に目覚めると、エゴを脱却し、名声や評価を得る可能性のある人生。しかし、本当はこの人は外側のことはどうでもよく、どこまで深く内界の旅をできるかどうかが試されている。この人は人間の内界に巨大な宇宙が眠っていることに気付き始めているからだ。霊の旅人と言えるところがある。
ほーら、アンパンマンマーチや、ブルーハーツの青空で泣いちゃう理由が書いてある(笑)自分の奥底に眠っている最も大事なところ(IC)が、魂が、刺激されるからですね。
生まれたところや 皮膚や 目の色で
いったい この僕の 何が分かるというのだろう
青空 /ブルーハーツ
この詩に涙を流すのは、双子座の土星の影響もあるでしょう。
表層的な理解(双子座)への強い疑念(土星)です。
なんのためのに 生まれて
なにをして 生きるのか
こたえられないなんて
そんなのは いやだ!
アンパンマンのマーチ/ドリーミング
「ジムに通うこと」や「たるみ改善顔体操」が、女性Aさんにとって大事なテーマではない事だけは、ICから読み解くことが出来るでしょう。コツコツ続けるASCの牡牛座、容姿にコンプレックスを持ちやすい1ハウスの土星が美容活動へ、健康を管理したい乙女座の月が、ジムが通いへの意識と継続へ向かわせたのでしょう。
実は、ドラコニックチャートのIC、天秤座の20度は保守的な性質を持ちます。「不遇な時代でも継続することで力が蓄えられ、それが生き延びる発展力となる事を表します(ディグリー占星術/ 松村潔著)」とあるように、継続することを得意としますし、それがICですから、自分の安らぎになります。
しかしその継続するテーマは、顔や筋肉を整えるのではなく、もっと精神的価値の高い、内界を旅できるようなものが良いでしょう。
そうして、本当の安らぎを得ることが出来るし、人生を充実したものにすることができます。もちろん土星という、重たい鉛を引きずりながら。
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女性AさんのIC、獅子座7度の話をもう少し続けましょう。
サビアン占星学―サビアンシンボルで知る人生の意味と目的 / 直居アキラ著より抜粋
<オポジション 水瓶座7度>
自己の殻がやぶれ脱皮や成長をすることが出来る。
<現実の傾向>
深く価値観を感じる世界を探究していく。名声の確立。
<学習の意図>
忍耐を学ぶこと。孤独や阻害に耐えること。別離の克服。プレッシャーを乗り切ること。方向性を決定すること。時期を待つこと。
<創造性>
深い考え方を身に付けること。未知の方向を目指すこと。精神的価値観を追求すること。夢の実現。能力を発揮すること。
<方向性>
人間関係の揺れ動きがあるが、安定した環境へ向かう。スピリチュアルなことを探求すること。名声を確立すること。
<適性>
自己の価値観を追求していくことによって、名声を得ることが出来る。
直居サビアン占星学―占星学教室 / 直居アキラ著より抜粋
[前世]
とても良いアイデンティティを確立し、活躍した前世です。なかには世に知られるようになった人もいます。だいたいのケースでは、今世もその快感が忘れられずに何らかの評価や名声を求める潜在意識を持つようです。しかし、問題はどれだけ内容が伴っているかというところにあります。この度数の優れたものは、エゴの欲望を持つより、自己のテーマの前進だけを求めます。普通はエゴの願望が強く、愛情生活の不幸を経験することも見られます。
ホロスコープのネイタルチャートが示すのは、生まれ持った備わった性質というよりも、死ぬまでに達成すべき課題という方が適切です。IC、MC、ASC、DSCは人生のテーマであり、中でもICは本当の安らぎを得るために、達成すべきテーマとなります。
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さて、「IMCクリニックなどの治療院と、私の役割の違い」のテーマを残していますが、明日から関東出張のため、しばらくお時間を頂きます。
参考文献一覧
愛蔵版 サビアン占星術 / 松村潔著
ディグリー占星術 / 松村潔著
完全マスター 西洋占星術 (The series of perfect master) / 松村潔著
アスペクト解釈大事典 / 松村潔 著
詳解 月の正統西洋占星術 / 神谷 充彦 著
サビアン占星学―サビアンシンボルで知る人生の意味と目的 / 直居アキラ著
直居サビアン占星学―占星学教室 / 直居アキラ著
石井ゆかりの星占い教室のノート / 石井ゆかり著
サターン 土星の心理占星学 / リズ・グリーン 著