占星術ブログ①では、ホロスコープチャートの出し方をお伝えしました。ぜひ、ご自分のチャートをプリントアウトして、この先の記事を読んでみてください。
ホロスコープについて、できるだけ簡潔に要点をまとめて説明していきたいと思います。
まず、ホロスコープは「あなたは○○座だから、△△な性格です」というような、単純なものではありません。
ホロスコープは、主に以下の要素から構成されます。
- 12サイン(12星座)
- 10天体
- 12ハウス
- アスペクト
- 度数(サビアンシンボル)
これらを俯瞰して、各個人はどのような性質を持って生まれてきたのかを知るためのツールです。
全ては説明しきれませんが、大事な部分だけに絞って順番に書いていきます。
12サイン(12星座)
海外では星座と呼ばずに「サイン」と呼ぶようです。日本に西洋占星術が持ち込まれた時に、12サインと呼ぶべきものが、12星座と表現されて今に続いてしまっているとのこと。
僕も正式な呼称にしたがって星座のことは「サイン」と書くことにします。
1年間で12星座が巡るわけですが、各星座の期間は均等です。
でも、各星座の実際の大きさは違います。サインというのは、実際に空に見える「おひつじ座」とか「おとめ座」などの星座とは実は関係がありません。
ではどのようにサインが分けられているのかというと
太陽の見かけの軌道である「黄道」と、赤道を天球に投影した「天の赤道」が交差する春分点をスタートにして、黄道を正確に12分割したものが、12サイン(=12星座)になります。
このようにホロスコープというのは、きっちり数字で形を分ける幾何学的な要素がとても強く、かなりシステマティック(整然としていて、規則的)です。
2、3年前にこんな記事が話題を呼んだようですが
NASAの発表で全米錯乱 「占星術とか信じてるやついるみたいだけど、本当の星座はこうだからね」
へびつかい座が発見されたところで、ホロスコープには全く関係がない事にはご注意ください。ホロスコープは全て幾何学的な枠組みの中で個人の性質を考えます。
実際の星座の幅と位置、サインの分割の違い。
12サインは、しばしば一人の人間がこの世に生まれ落ちてから死ぬまでの段階に例えられます。そのストーリーの一端を紹介しながら、4元素(火/土/風/水)、3区分(活動/不動/柔軟)なども交えて説明したいと思います。
牡羊座
出産という壮絶なエネルギーが渦巻く中でこの世に押し出された赤ちゃんに例えられます。大脳皮質もまだ未発達で、脳幹が支配する本能だけを頼りに、必死に生存するためにアピールをするこの段階は、行動は衝動的であり、強いチャレンジ精神と自己表現(まだ他者を意識していない)欲求を持ちます。
牡牛座
赤ん坊が手足や口などの「身体」を使えるようになり、物を触ったり、口に入れたりすることにより「物質」を認識しながら、五感と身体性を通して世界と出会う段階です。味覚、嗅覚、視覚、触覚、聴覚のいずれにも牡牛座は敏感で、美味しいもの、美しいもの、肌触りの良いもの、心地よい香りや音楽などを愛し、自分の好きなものを所有することを望み、大事にします。
ふたご座
自分の周りの兄弟姉妹などの「他者」を初めて発見し、それとやり取りするために言葉を学び始める段階に当てはめられます。話し、聞く中で言葉の「意味」も確認し、絵本の中の「物語」に夢中になり「好奇心」も育まれ、家庭の外の人間とも「関係」を持つことによって「競争」するという意識も生まれます。ふたご座で初めて「他者」が意識されることにより、コミュニケーション能力や自分の身の振る舞い方などを学んでいくことになります。
かに座
ここまで(牡羊〜双子/最初の3区分)が、純粋な個人の能力を育成していく段階で、個性が突出しやすい性質を持ちます。
個人の突出が過ぎると他者との共存が難しくなるので、次のかに座では「共存、共感」を大事にして「家庭」を「守る」、というような生き方を選択します。その家族というコミュニティは支配者が統一しているわけではなく、心のつながりによって守られるものなので、かに座は「感情」を非常に大事にします。
〜4元素と3区分〜
サインは、火、土、風、水からなる「4元素(エレメント)」と、活動、不動、柔軟の「3区分」によってグループ分けされます。
かに座まで、4元素が一周し、獅子座から新たな4元素が順に巡ります。
3区分は、牡羊座(活動)、牡牛座(不動)、ふたご座(柔軟)で一周し、かに座は新たな3区分のスタートになります。
各元素、区分は上記のような性質を持ちます。この2つの要素の中で、どの特徴が自分のホロスコープに多いのかは、性格に大きく影響します。
(最後にチャートでの見方を書いてあります)
獅子座
かに座の愛で育まれた自己肯定感を胸に、獅子座では甲羅の外へ、自分自身を試す旅へ出ます。外の世界で自分を通用させるために、獅子座が学ぶのは自分を表現することです。自立心を持ち、主体的に人生を進め、自分が自分であることを確立し、その喜びや楽しさを輝き放ちます。
乙女座
自分が世界の中心となる世界観で動いていた獅子座は、飛び出した先の世界で膨大な数の他者に出会うなかで、自分以外の他者も、自分と同じ構造を持った人間であると知り、興味の対象が自己から他者へ移ります。社会のなかの一般的な常識やルールの中で何が必要なのかを察知する能力を身につけ、物事を詳しく調べ、分析し、発見したことを世間のために役に立てるような努力をするのが乙女座です。年齢でいうならば、制服をきているような、または弟子や見習いとして経験を積む段階になります。
乙女座までで前半の6サインが終わりました。牡羊座から乙女座までは、いずれも「個人」の力を育むことや、家族や学校のような身の回りの小さなコミュニティの中での振る舞い方にフォーカスが当てられています。
後半の6サインのスタートである天秤座からは、より大きなコミュニティ=社会へとフォーカスが移り変わり、本格的な他者との関わりが始まります。
天秤座
世の中の人々は自分と同じ構造を持っていることに気がつき、「同じなんだからきっとわかり合えるのだろう」と努力を重ねた乙女座は、しかし現実的には他者同士は決して分かり合えないと理解します。「他人と自分は全く違うものである」というのは天秤座の思考の前提です。その上で人々とうまく関わっていくために、平等性や社会のルールを学びます。意見の違うもの同士の中で生きていくために、純粋な自己判断ではない「型」を必要とします。
〜鏡関係の星座〜
さて、天秤座は牡羊座から180度の鏡関係にあります。牡羊座は純粋に内から湧き出るもの、他者という意識がないところで自我が形成されますが、天秤座は、鏡に映った自分=他人の目に映る自分を意識することで自我が形成されます。
他人の目に映るあなたとは、他人が期待する姿です。他者の期待に応えることにより、より良い関わりを持つことができると考え、自分が属する社会の人間像によって自我と人格が形成されていくのが天秤座の思考、行動パターンです。
しかしどちらも活動宮であり、牡羊座は前半の6サイン(個人や身の回りの関係にフォーカスされ、全体的に主観的な思考を持つ)のスタート、天秤座は後半6サイン(社会やより大きな範囲にフォーカスされ、全体的に客観的な思考を持つ)のスタートです。共通して活発で、強い自己表現欲求を持ちます。ただし、その行動の原因となる要素は、牡羊座は自分の内側からになりますが、天秤座は他者から見た自分になります。他者からの認識しやすさ、わかりやすさで天秤座は個性を形成していきます。
このように、サインの鏡(180度)関係は、同じテーマを違うところから学んでいくという性質を持っています。牡羊座は、天秤座のように他人の意見を聞くことや、他者との関係性の中に自分がいることを少しわきまえなければ、いくら溢れる衝動性で行動したところで、違うもの同士が共存する社会では自分の目標を達成することが難しくなりますし、本質的な成長を得ることができないでしょう。
同じく、牡牛座と蠍座は「所有」すること、双子座と射手座は「知性」を、かに座と山羊座は「守る」ことを、水瓶座と獅子座は「主張」することを、乙女座と魚座は「奉仕」することを、違う方向から学びますし、正反対の性質を持ちながらも共通のテーマを持っています。
ホロスコープではサインはきっちり30度ずつで分けられますが、サイン同士の位置関係でも共通したパターンで関係性を持っています。90度や120度でも、180度とは違った関係でサインの配置がありますが、それはまた後の記事で説明します。
180度関係のサインの違いを簡単に表すと、前半の6サインは「個人的、主観的」で、後半の6サインは「集団的、客観的」な考え方を持ちます。
その中でも、前半の6サインの中で最後に位置する乙女座はもっとも集団的な意識を持ちますし、後半6サインの最後に位置する魚座では、もっとも集団的というか、もはや個や集団などの境目を持たない広範囲な物の考え方をします。
再度主張しておきたいのは、ホロスコープでは「魚」とか「乙女」などの象徴から性質を決めているわけではありません。「角度」や「位置」から生まれる性質を表現するために、「魚」や「乙女」などの象徴を描いたのだと考えられます。(これは重要です)
さて、天秤までで僕がここで説明したいことは終わりましたので、後のサインは軽く流しますm(_ _)m 笑 本とかネットでいくらでも調べられますし、各サインの性格を紹介することがこの連載の目的ではありません。
天秤座で社会の型やルールを学んだところで、次の蠍座では社会では重宝される一般論や常識が通用しない「結婚後の生活」という段階に入り、夫婦間でしかわからないディープな体験から学びを得ながら他者との融合を試みます。
天秤座で他者との関わりを学び、蠍座で他者との融合を試み、その中でおこる葛藤を乗り越えた後にやってくる射手座では、人と人との違いを認め、しかしその中から共通する普遍性を見つける旅に出ます。舞台は一気に広い世界へ移り、人にとって本当に必要なものは何かというような哲学を愛します。
広い世界で得た見識をもとに、実質的に皆が安心して暮らせるような国を作ろうと試みるのは山羊座です。徹底的な攻めの姿勢で世界へ飛び出していった射手座とは対照的に、山羊座は地に足をつけて守りに入り、現実世界で結果を出すことに誠意を尽くします。山羊座が人間としての最終段階と言われています。
そのあとの水瓶座では、人間社会の中にある制限や枠組みから脱出し、もっと大きなスケールで世界を眺め、山羊座によって皆が暮らすために作られた支配構造に反抗します。人間が作った常識から抜け出し、真理を追い求め、自由と真の公平性を実現しようとします。
そして、そのあとの魚座は最後のサインです。今まで作り上げてきた、人が生きるための枠組み、境界線、全て消し去って、また次の牡羊座から生まれ変わるために、純粋な意識だけを抽出し、無に帰っていきます。
ということで、12サインの紹介でした。
各サインの性格を詳しく知りたかった人には申し訳ありませんが、僕がここで言いたいのは、各サインは全て成長していく段階であり、360度が螺旋的に循環していく中の1過程に過ぎず、ここに優劣はなく、ただ特徴があるだけ、と言う事です。
各サインは、いまサインの弱点を解決した上で次のサインで新たな挑戦をしていきますが、段階が進めば忘れたり、置き去りにしていくこともあります。どのサインも、一長一短です。そして、どのサインもこの社会が循環していくのに必要です。
自分には、または一緒に過ごしている他人には、チャート内にどのような性格のサインが多いのか把握することによって、より良い生き方、関係性を実現するためのホロスコープです。
サインだけでなく、先に紹介した3区分と、4元素(エレメント)でも、360度内の特徴を見ることができます。
最初の3区分である牡羊座、牡牛座、ふたご座が持っているような、小さな子供が自分の身の回りの世界の興味対象へ抱くような純粋な集中力は、最後の3区分である山羊座、水瓶座、魚座では影を潜めます。大人になるに連れて思考が向けられる対象が広範囲になり、社会にとって、人間全体にとって、最後には純粋な魂にとって必要なものは何かという事を考えるようになるからです。
これもまた、「他人とは考え方が違う」ことを理解したり、「自分とはどのような性格を持っているのか」を知るひとつの目安になります
しかし、ここまで説明してきたサインの性格は、太陽星座、つまり誕生日だけで把握できる〇〇座生まれと表現されるものだけに当てはまるものではありません。
10天体やハウスなどの影響を全て合わせて、初めて個人の性格を知ることができます。
牡羊座生まれであっても、山羊座の要素を多く持つ人もいます。その場合、「個人よりも集団に同調しようとしたり、論理的思考を優先し、現実主義の牡羊座生まれの人」になります。
このバランスの詳細を、チャートを読むことで知ることが出来ます。
「占星術ブログ①」で紹介したASTRODIENTで出せるチャートには上記のような表が記載されています。
その中で、この記号はキロンと呼ばれ、「克服すべき傷で、それを自ら癒すことで同じ傷を持つ人を癒すことができる」といった意味合いを持ちます。
こちらはドラゴンヘッド(正真交点)と呼ばれ、「今世でやるべきこと、課題」という意味を持ちます。
この2点は自分の性質というには少し違うので、それ以外の10天体とAC、MCが、4元素、3区分のどんな割合で配置があるかというのは、自分のバランスを大まかに知る目安になります。
僕の場合は
- 火4つ、土5つ、風2つ、水2つ
- 活動4つ、不動4つ、柔軟4つ
という配置になります。
4元素(エレメント)でいうと風が最も柔軟な性格を持ちますが、太陽が風のエレメントでも全体的に3区分の中に不動サインが多いと頑固な性格を持つことになります。
長くなったので次の記事に続きます。
症状と食事を読み解く生化学セミナー
〜2018年秋のスケジュール〜
10月13日(土)14日(日)
大阪:お気軽会議室 堺筋本町
10月27日(土)28日(日)
名古屋:自然の薬箱千種駅前店Learning Room(8F)
11月23日(金/祝)24日(土)
東京:八重洲藤山ビル 2階「ふれあいセミナールーム八重洲④」
受講者様よりいただいたご感想です。感謝。