こんにちは。
受講者さんより「インスタのひとり飯バージョンが、職場へ持っていく食事の参考になります」とメッセージ頂きました。
僕は一見料理が好きそうに見えるかもしれませんが、別にそんなに好きじゃないです(笑)
もちろん嫌いじゃないですが、なぜ料理をするかといえば、調理、創作行為自体が好きじゃなくて「食べたいから」ですね。自分の好きなものを。
ですので家族がいないとなると、出来るだけ楽をして食べたいものを食べようとします。
ということで、ひとりで過ごしていた6日間のお盆は、いつもよりたくさんの果物をコープ自然派で注文しておいて、あとは芋、チーズ、ヨーグルト、牛乳。
最後の日に、ようやく人参を切りました。多めに作っておけば、明日の家族のおかずになると思い(笑)
で、これが楽ですけど栄養面で見ても合理的ですよと、トップ画像の昼食の栄養価をここに掲載したいと思います。
まずですね、写真の量では足りなかったので(笑)追加の品です。晩柑を1/2個。
皮が27がりましたので、可食部122g。
じゃが芋も1個足しました。可食部60gでした。天板重ねて、オーブンで蒸し焼きにしました。皮を剥いて食べます。
これらを合計して、食べたものの内訳です。全部で604kcal。
3大栄養素です。
これは厚生省の設定する目安量を基準にグラフ作成されています。カロリーSlismという栄養計算サイトから全て画像は拝借いたしました。
厚生省基準的には、脂質が若干多めになってますが、バランスは良いと思います。ちなみに調理自体に油は見ての通り、ゼロです。脂質は主に牛乳(カフェオレ)、チーズ(マリボー/リストになかったので計算はゴーダで代用)、ゆで卵由来です。
タンパク質は1日に体重1kgあたり1gは摂取した方が良いとされてますが、この1食で約25g取れてますので、十分OKでしょう。
小ぶりのじゃが芋(悦子のお母さんが畑でつくったもの ^ ^)6個、桃1/2個、晩柑1/2個、人参とレーズンなどを食べても、たいした糖質量になっていないことにも注目してください。
そして栄養価。
申し分ないですね〜。
糖質は80g弱摂取しておりますが、これだけのビタミンB1、2、3とミネラルが含まれていれば、余裕で燃えてしまいます。糖が足りないくらいです。
こちらは脂肪酸組成。飽和脂肪酸が目安量の2倍ほどになってます。
これは無問題。
飽和脂肪酸は、体内で最もクリーンに燃える脂肪酸です。そして最も不完全燃焼を起こすとマズイ「多価不飽和脂肪酸(PUFA)」は目安量の半分以下。
これも無問題。
こんだけあれば、十分足ります。
いつもこんな食事してるわけではありませんので、肉(鶏/豚)、魚、味噌汁など食べれば十分すぎるほど摂取することになります。
脂質を燃焼するには、ビタミンB1、2、3(ナイアシン)が必要で、特にB2とナイアシンが必要ですが、目安量の倍量が含まれます。
高脂肪の牛乳には、ちゃんとそれを代謝するだけのビタミンも含まれているということですね。(そうじゃないと、子牛は困ってしまいます!)
脂質の過酸化を防ぐ、ビタミンEもバッチリ。しかも、食事に含まれるPUFAが少ないので、無駄に浪費されません。
ビタミンEは、PUFAの存在によって消耗します。
ビタミンCは、目安量の5倍ほど。これもPUFAによって浪費される抗酸化ビタミンですから、これだけ取ってりゃ十分すぎるほどに、心配ご無用です。
抗酸化ビタミンは、PUFAによって消耗します。
わかります?
なんでオメガ3サプリを飲む輩は、こぞって大量のビタミンCサプリも取るのか?(笑)
ちなみにじゃがいもは、加熱によってビタミンCが壊れにくい食材です。
マグネシウムもバッチリですね。サプリメントより、断然このように摂取するのが良いでしょう。ちなみにマグネシウムもPUFAによって消耗することをお忘れなく。
カルシウムの過剰摂取が心配?
むしろ足りなくて骨から抜かれて更年期などで骨折率が上がります。これはエストロゲンの授業などで詳しく解説したいテーマです。
あ、ここで気がつきました……計算が「レーズン5g」じゃなくて「レーズンパン5g」になっている……_| ̄|○
ほとんど栄養価変わりませんので、ご勘弁を!全部直すのが面倒で(^_^;)
と言うことで、だいたいどんな栄養価か分かりましたでしょうか?
芋、果物、チーズ、卵、乳製品の組み合わせは最強です ^ ^
食べ始めてから約1時間後の血糖値はこちら。全くの無問題。
では、次にもっと穀類主体の食事の栄養素を見ていきます。
ある日の家族の昼ごはんです。
娘と一緒に作ったおにぎり(塩と海苔のみ)。ニラ入りの卵焼き(醤油麹がけ)。きゅうりの梅酢漬け。
一人当たりの食材摂取量は、だいたいこんな感じになりました。米は3合炊いて、4人で完食です。うちは押し麦が入りますが、ここでは白米で計算しました(食物繊維以外の栄養価はそうたいして変わりません)。518kcalで先ほどより低カロリーです。
三大栄養素は、炭水化物に偏って、たんぱく質が目安量を満たしていません。バターを使っているものの、脂質は少なめになります。(先にあげた食事は、ノンオイルですがこれより高脂肪です。)
ビタミン、ミネラルです。脂溶性ビタミンADEや、ビタミンCにかけます。糖質に偏った食事なのに、糖質を燃焼するのに必要なビタミンB1とナイアシンにも欠けます。
脂肪酸組成です。これはバターで焼いているので低PUFAになってますが、もし菜種油やごま油で焼いてしまうと、高PUFAに逆転してしまいます。
糖質の燃焼を最も妨げるのは、PUFAです。
そもそも糖質を燃焼するだけのビタミンB1やナイアシンが少し足りないのに、ここにPUFAが入ると益々糖が燃焼できなくなってしまいます。
菜種油などのシードオイルで調理した場合は、ビタミンA量も減ります。代わりにビタミンEが増えますが、それはPUFAの過酸化物によって逆に失われてしまいます。
では、このおにぎりランチにコップ1杯(200cc)の牛乳を加えると、どうなるでしょうか?
タンパク質不足が解消されました。PFCバランスも良い感じに修正されています。
脂溶性ビタミンAD、水溶性ビタミンB群とビオチン、カリウム、マグネシウム、カルシウム、亜鉛などのミネラルがプラスされ、栄養バランスは良くなります。
給食に牛乳が出されるのは、戦後のアメリカの陰謀ではなく、ちゃんとした理由があった訳です。(ただし、そこで超高温殺菌でホモジナイズされた牛乳が流通するようになったのは問題でした。)
我が家では、1日のうちで一番質素な朝食の時や、おやつに牛乳を与える事は多いです。
穀物に偏って低タンパクの食事が日常なのに、さらに穀類のお菓子(米粉、小麦粉)を食べていると益々栄養が不足してきます。菜種油や米油で焼いた米粉のクッキーとかケーキが健康的に思える方もおられるかもしれませんが、非常に栄養バランスを崩すおやつです。
うちの基本の子供のおやつは、芋、果物、牛乳やヨーグルトです。
さて要点をまとめます。
- 芋類は、穀類よりもビタミンやミネラルを豊富に含んでいる。(果物よりも高い栄養価を持つ)
- 果物は芋より総合的な栄養価は劣りますが、果糖を含みます(糖代謝を促進します)。穀類より栄養価は高いです。
- 乳製品は摂取源が少ないビタミンADを多く含む。ミネラルも豊富。(水分の少ないバターには、あまりミネラルや水溶性ビタミンは含まれません)
- 乳製品は飽和脂肪酸を多く含み、それを燃焼するビタミンB2も多い。さらに非常にPUFAが少ない。
- たまごは、1食に1個食べる分にはたいしたPUFA摂取になりませんし、栄養価をバランスよく補います。
- 穀類に偏ると低栄養になる。
おにぎりランチに大豆や野菜などを足しても栄養計算上はかなり良い感じになるのですが、そこには吸収率や反栄養素などの問題があり、数字通りに身体に栄養は足されるかは分からないということは、考えておいて良いと思います。(各食材の栄養吸収率については、いずれしっかりリサーチをかけたいテーマです)
もっといろんな面から、芋、果物、乳製品は良いものであるかをお伝えしていきたい所ですが、栄養価だけ見ても素晴らしさが分かりますね。
では最後に、典型的な外食で食事をした場合も検証してみましょう。
栄養計算の食事デザインは、
- ごはん1杯(160gは割と軽めです)
- 唐揚げ3個
- インスタント味噌汁(安い定食屋ではインスタントも多いです)
- 野菜サラダ
- 沢庵
としました。
カロリーは708kcalと高めです。
唐揚げやサラダの調理油でかなり高脂肪食になります。
その内訳として、かなーりの高PUFAです。世間で言われる「高脂肪食」は、「高PUFA食」だと理解しておく事は重要です。
栄養価も、高カロリーの割には不十分です。ビタミンEは目安量の倍量が含まれていますが、あれだけのPUFAを摂取すると、浪費される分が上回るでしょう。
ビタミンA、Dやカルシウムは決定的に足りません。
そしてこんな食生活をしていると、やはり「ビタミンCサプリを取らなきゃ」となってしまうんですね。でもサプリで補えば良いってもんじゃありません。一般的に出回るビタミンCの品質は、かなり問題が指摘されています。
如何でしたでしょうか?
これから芋の季節、是非その素晴らしさを見直してみてください。
果物はまだまだ美味しい季節が続きます。
そして乳製品は高脂肪食として嫌われる傾向があるのですが、我が家のような摂取の仕方と、一般的に食されるスタイルとは、その中身が全く違います。
例えば、低品質がオリーブオイルがたっぷりかかったピザ、その上にはシードオイルと化学調味料で炒められた脂身の多いミンチ、さらには添加物まみれの加工肉、そして高脂肪なチーズが大量に乗っかれば……
脂肪の過剰摂取に加えて、脂肪酸組成も不飽和脂肪酸が多い組成になるので過酸化脂質の問題も出てきます。さらには添加物や食材の品質の問題もあります。
※シュレッドチーズは基本的にナチュラルチーズですが、業務用商品にはプロセスチーズが利用され乳化剤が入るようです(雪印さん談)。
これも、そもそも乳製品とカテゴライズするのを認めたくない商品です。乳化剤、増粘剤、ブドウ糖果糖液糖などなど…
我が家のグラタン。原材料、牛乳、じゃがいも、塩、白胡椒、ナチュラルチーズのみ。ノンオイル。(インスタグラム)
食後も全然もたれません!
こちらは昨日の子供のおやつ。巨峰を入れた牛乳ゼリー。
原材料は(ノンホモ、低温殺菌、非遺伝子組換え飼料で、放牧もされている牛の)牛乳、巨峰、粗糖、ゼラチン、水。以上。(インスタグラム)
こういう食べ方で、牛乳の高脂肪の問題は出てきません。
ご参考までに、食材の品質、調理の仕方、食べ合わせなども考えながら、上手に乳製品を利用したり、穀類に食事が偏りすぎている方は、芋や果物を積極的に食べると、健康改善に役立つと思います。卵は保存が効くので、良いものを取り寄せてストックしやすい食材です。
糖質や脂質について、ブレない土台をしっかり学びたい方は、是非セミナーへどうぞ!
〜2018年秋のセミナー予定〜
10月13日(土)14日(日)
大阪:お気軽会議室 堺筋本町
10月27日(土)28日(日)
名古屋:自然の薬箱千種駅前店Learning Room(8F)
11月23日(金/祝)24日(土)
東京:八重洲藤山ビル 2階「ふれあいセミナールーム八重洲④」
受講者様よりいただいたご感想です。感謝。
盛りだくさん過ぎて質疑応答時間があまり取れないので、最後の脂質クラス3は、残れる方は30分延長して、なんでも疑問を解消して行ってください。
インスタ、コツコツ投稿しております。