中耳炎についての考察

お母さん向けに
講座を開催させていただいています私。

ほぼ毎回、頂くご質問があります。

 

【中耳炎】についてです。

 

今回は中耳炎について、私の見解を
改めて、まとめてみたいと思っています。

長くなりそうな予感もりもりです。笑

 


目次
1、中耳炎とは何か
2、急性中耳炎、滲出性中耳炎の違い
3、中耳炎に抗生剤は必要か
4、中耳炎で難聴になるのか?
5、中耳炎の自然療法


 

1、中耳炎とは何か

 

中耳炎ってどんなイメージですかね?

耳の中での炎症
そんなイメージなのかな、と。

で、耳の中ってどこ?

 

上の図で、中耳、というところで炎症が起こっているのが「中耳炎」

中耳炎の種類は主に
①急性(化膿性)中耳炎
②滲出性中耳炎

この2つがあります。

 

上の図で「耳管」とあるの、わかります?右下あたりに。
ここが、鼻と繋がっています。

鼻から細菌やウイルスが耳管から侵入し
(っていつも侵入していると考えていますが)

そこで、炎症が起きた結果が
いわゆる「中耳炎」という状態のようです。

 

つまり、中耳という場に
処理しなくてはならない問題があったため
「はいよ!ごみ掃除します!」って
免疫細胞が仕事をした結果かな、と。

で、そのお掃除の具合がちょっと激しくなっちゃった結果「炎症」という状態までになりました。

みたいな。

 

 


 

2、急性と滲出性の違い

 

中耳炎の種類には色々あるようです。

色々あるなんて言っちゃうと、まるで、
すべて原因が違うように聞こえる気がします。

 

病気の原因、症状が起きる根本のメカニズムは
すべて同じだと私は考えています。

 

なので、すべて「中耳でおこっている炎症」
以上。と考えています。

 

が。

「うちの子は急性じゃなくて、滲出性中耳炎なので、治療しないといけないと言われて…」といったご質問をとても多くいただき。

 

 

 

この違いについて、私なりの見解を書いてみたいと思います^^

 

 

 

まずは本家?
日本耳鼻科学会のガイドライン
こちらでの定義は以下です。

急性中耳炎を「急性に発症した中耳の感染症で、耳痛、発熱、耳漏を伴うことがある」と定義した。

 

滲出性中耳炎は急性炎症を伴わず中耳腔に貯留液を認める状態であり「鼓膜に穿孔がなく、中耳腔に貯留液をもたらし難聴の原因となるが、急性炎症症状すなわち耳痛や発熱のない中耳炎」と定義される。

 

 

 

と定義されてはいますが。

 

中耳炎の急性と滲出性の
定義の解釈の仕方

各医師によって色々だなぁという
印象です。

 

 

ということで、以下、紹介します。

 

ーーー
熊本のたかむら耳鼻科さん
ーーー

※オレンジ色のところをHPより引用しています。

 

急性中耳炎は「細菌やウイルスが中耳に入り込み、炎症を起こします」とのこと。

HPにありますイラストでも、耳管で膿がたまっているとあります。
(このイラスト、とてもわかりやすいです。)

 

滲出性中耳炎は「中耳に膿ではなく液体(浸出液)が溜まった状態」とのことです。

 

つまり、その二つの違いは
中耳に溜まっているものが膿か、液体か。
その違いとのことです。

 

 

ーーー
神奈川県のたかはし耳鼻科さん
ーーー

HPより引用します。

「中耳炎は、治る途中で名前が変わります。

痛みや腫れの強い、はじめの1週間を
急性中耳炎と呼び、
ピークを過ぎて、残りのうみが、
だんだん抜けて、
治っていく時期を
滲出性中耳炎と呼びます。




滲出性中耳炎とは「急性中耳炎が治ってきている途中ですよ」という時期の呼び名です。



時期で名前が変わるんだな、
と考えて下さい。」

 

 

 

 

 

ーーー
③小児科医、山田真先生著書「はじめて出会う小児科の本」より

ーーー

以下、中耳炎の記事抜粋します。

「ウイルスでも中耳炎はおこりますが、たいていは細菌によるもののようです。細菌で起こった中耳炎では中耳に細菌を含んだ膿がたまりますが、この他に、細菌を含まない液体がたまることもあります。これが滲出性中耳炎と呼ばれるもので、最近増えてきたといわれているのです。」

「最近の情報では、細菌がないと思われる場合でもよく調べると細菌はあって、だから細菌性中耳炎と滲出性中耳炎というふうにはっきり分けられないという説もあります。むずかしいですね。」

 

 

 

他にも色々と説明されている先生はたくさんいますので、ぜひ検索してみてください。

 

 

 

ということで、私なりに
その違いというのは

 

今、明らかに細菌による炎症が強く出ているのが急性中耳炎

何かしらの炎症を起こさないとならない状態、
でも、アクティブな細菌による侵襲はないのが滲出性

 

 

これは、まるでアレルギー性鼻炎と同じような状況が、耳の中で繰り広げられている印象です。

 

 

といいますか、同じ機序だと考えています。

 

 

 

急性中耳炎に対しては、確かに状況によっては抗生剤は必要なときがあると思います。状況によっては、です。これはまた後述します。

 

それに対し、滲出性中耳炎に抗生剤は私は疑問です。

 

 

ここの線引きはカラダの状態を把握する上で
とても重要なところだと思っています。

 

 

急性の炎症症状なのか。
慢性的な炎症症状なのか。

 

 


 

3、中耳炎に抗生剤は必要か

ここの議論をするときに

前記しました「急性」か「滲出性」か
その前提を理解することが重要だと思います。

 

中耳炎は子どもに多い病気です。
それは一つは解剖学的なものは大きいと思います。

 

この図はたかむら耳鼻科さんHPより。
こちらの耳鼻科さん、イラストや説明がとてもわかりやすいです;;

 

 

 

子どもは構造的に
鼻からの病原菌が耳にいきやすい。

 

加えて、免疫細胞もまだまだ未熟なため
急性炎症は起こりやすいです。

 

 

ちなみに中耳炎はのど鼻から感染すると言われています。

 

これが、中耳炎になったら、鼻をしっかりかんでください、と言われる所以です。

 

 

ただ、だからといって
鼻を無理に吸引器などで
外部から吸い出すことには
私は賛成しませんが…

 

自分で鼻をかむことを練習させたり
そもそも、鼻水を出す力は
人間、誰しもあるはず。

そう考えています。

 

 

 

そもそも、確かに子どもは中耳炎になりやすい。

でも、ならない子もいるわけです。
といいますか、おそらく、中耳に細菌感染はすることはあると思います。

でも、それがどれだけ症状として強くでるかはその子の土壌次第

 

 

 

そして、急性中耳炎になった場合、抗生剤は必要か?というところですが。

 

日本耳鼻科学会のガイドライン
こちらにも、そこについては、あれこれ明記されています。

 

東京大学医学部小児科教授 監修

 

 

こちらの本から一部抜粋します。

「急性中耳炎は自然軽快し、抗菌薬投与を考慮するまでの72時間は対症療法が推奨される。」

 

つまり、ほとんどの中耳炎が自然に治る

自然に治るとは
自分の免疫がその細菌に勝つ
ということです。

 

 

自分の免疫力ではどうしようもないくらい
細菌感染で負けてしまいそうなとき。
抗生剤を考えましょう。
そこに至るまで、72時間(3日)は様子みましょう。

とのことです。

 

 

そういった状況の時は高熱も出ます。
痛みも非常にあると思います。

 

その痛みに対しては、それ自体は非常にストレスなので、何かしらの対応は必要だと思っています。もちろん一番パワフルなものは痛み止めとなります。自然療法で緩和できるならば、それも選択するべきだと思っています。

 

 

ということで
急性中耳炎についてはこんな具合です。

 

 

 

もちろん、耳鼻科の先生によって
色々な考え方があります。

 

 

私は、たかはし耳鼻科先生の以下の考え方に賛同します。

 

 

 

 

 

では、滲出性中耳炎に関しては?というところですが

そもそも、細菌感染が顕著ではない状態の中耳の炎症状態と考えています。

 

そこに抗生剤の投与は
どういったことを目的なのかな?と
そこで納得できる見解があれば…

 

どうでしょうか…

 

この場合の抗生剤は、対症療法としても選択肢ではないのかな、と私は考えます。

 

 

 

 

 

と書いたのですが

この辺りも、非常に繊細なところだと思っていて

もう、一言で抗生剤は必要!不要!なんて
とても言い切れなくて…

 

 

 

これは次に繋げます。

 

 


 

4、中耳炎で難聴になるのか

 

 

この質問もとてもたくさんいただきます。
「難聴」というと、非常におそろしく感じます。

 

ここも冷静に考えていきたいです。

 

 

 

中耳炎に限らず、炎症、という状態の時は
浸出液がたまりやすくなります。

 

 

耳の場合、その状態によって
確かに耳の聞こえが悪くなる。

 

 

ただ、神経が損傷を受けるほどの難聴になるか、は稀です。
そんなところまで炎症が起きすぎてしまったらの話。

 

 

って、そこまで炎症が起き続けるのも、自分の土壌の結果なのですが…

 

 

 

ただ、炎症が長引けば長引くほど。
浸出液がたまった状態が続くわけで。
聞こえに支障は少なからず出ると思います。

 

特に、言葉を覚えていく子ども時代に、中耳炎は起きやすいからこそ。

 

子どもにとって、その時期というのは非常に大切な時期ではあります。成長にあたり。

それゆえ、年齢、炎症の状況、聞こえの状況など
総合的に考え、医療介入が必要なときもあるのかな

そう考えています。

 

 

急性の中耳炎ならば、炎症も一時的なので
ここまで気にしなくてよいと思います。

これは長引く炎症症状の時の話です。(滲出性)

 

 

このあたりの見解でわかりやいと思ったのが
琴海病院さんのサイトです。
参照してみてください。

 

 

 

 

そして、話が中耳炎から広がってしまいますが
難聴といった耳の疾患と大いに関連しているのが

甲状腺機能低下です。

 

もともと、甲状腺機能低下がある状態で
中耳の炎症が長引くことは
問題となるとは思います。

 

 

 

そういった状態ならば
外科的処置も必要だろうし

すでに菌バランスは崩れているだろうから
一度、その状態を是正するために
抗生剤も考慮すべきだと考えています。

 

 

 

ってかなり複雑になってきました…

 

 

 

そもそも、なぜ、症状は起こるのか

なぜ、炎症が起こるのか

 

ここの理解が最も大切だと思っています。
だからこそ、油のことは知ってほしい。
現代の、慢性炎症の根幹です。

 

 

 

ただ、体の改善には時間がかかります…
(自分の結果にすぎませんが…)

 

 

今、体の構造に問題が生じているならば
どうするのか。

 

という視点で書こうと思うと
複雑にならざるえません;;

 

 

 

 

 

 


 

 

5、中耳炎への自然療法

 

ということでこれは「急性中耳炎」に対して。

いわゆる、子どもに多い中耳炎です。

 

繰り返しとなりますが、基本的に投薬なしで治ります。

ただ、痛みがあるのですよね。
それはつらい;;

でも、ピークがあって、その数時間を超えれば、和らいでいきます。

 

 

「中耳炎 自然療法」と検索すれば色々と出てくると思います。

私が試したもの、お勧めしているもの、あげておきます。

 

 

抗炎症作用を狙って
■玉ねぎのすりおろしを1~2滴入れる
■あれば、ゆきのした(雑草)のすりおろし液で

 

 

痛みの緩和として
■温めて楽になった方
■冷やして楽になった方

どちらも聞きます。

 

温めて楽になる場合、こんにゃく湿布も。

少し大きな子でじっとしていられるならば、クレイ湿布も、炎症が強いときはおススメです。

 

精油(アロマ)でラベンダーやティートゥリーを希釈したものを耳辺りに塗布するのも、気持ちも落ち着くのでは。

 

 

ホメオパシーも持っている方はそちらも。
「ホメオパシー 中耳炎」とかで検索されたら
おすすめのレメディーを紹介している方がたくさんいらっしゃいます^^

 

 

これら、すべてやってください!ではなく。

あくまでも、こういった自然療法がありますよ、ということで。

 

 

 

では、滲出性中耳炎に対しては?というところも
基本は同じですが

でも、こちらこそ。

 

いかに生活を改善していくか
これにつきると思っています。

 

アレルギー反応と同じだと考えているからです。

 

これは滲出性中耳炎に限らず
もう、すべての慢性炎症と同じ機序です。

 

 

具体的には、いつも記事にしていますが
■石油由来製品を減らす(添加物、農薬は避ける、プラスチックの使用を見直す)
■過酸化脂質を減らす(種からできてる油はやめる)
■重金属を減らす

 

 

生活を整える。
体内にこれ以上ゴミをため込まない。
これしかありません。

 

 

 

 

 

この、体にとっての
根幹を変えない限り
症状の克服はないと確信しています…

 

 

これは、もう、実感しています。
自分の長年の漬けをね…^^;

 

本当に、食べる物、大事です。

 

 

 

そして、そこを正していけば
必ず、必ず、カラダは変わります。

 

道のりは長いですが…
子どもちゃんならば、反応ははやいです^^

大人は…

長いです。笑

 

そりゃ、今までの何十年の漬けがたまっているかって、ねぇ。

 

 

私も直面しています。

気長にがんばりましょ♡

 

 

 

 

子どもはそういった不要なものの蓄積は少ないです。
(もちろん母の選択によりますが… 胎児の時から、それ以前から。)

 

 

免疫力を高めるため

 

土に触れ、色々な菌にまみれて。
不要な除菌はしすぎないで。

太陽の元、カラダを動かして^^
寒い空気も肺にしっかり取り込んで。

そういった、生き物としての
自然な営み。

もちろん大切っす^^

 

 

 


 

 

ということで、長くなりました^^;

 

 

こういったことをすべて書こうと思うと
どうしても長くなりますし

文章だけだとわかりにくくなると思います…

 

 

 

講座では、微妙なニュアンスもすべてお伝えできるのが嬉しいです。
資料にもかけますしね^^

 

ご参加いただいた方は
復習となりましたら…

 

 

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藤原 悦子タイムウェーバー 心理分析
看護師

看護師として勤務時、自身の体調不良から自然療法の世界に出会う。また、幼少期からのアトピー性皮膚炎に長年ステロイド薬を使用していたが薬では症状の根本改善しないことを実感。長女の出産を機に薬に頼らない生活に徐々にシフト。身体のメカニズム、自然療法などの学びを深め、子育てお母さんへ向けた講座を開催。全ての問題の根源は意識であることを認識しメタトロン測定会、タイムウェーバーセッションを実施中。現在はICU看護師の世界に身を置き、西洋医学、代替療法、いずれにも偏らない視点を目指す。週末は畑生活。小学4年生、2年生、年中、0歳児の4児母。

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