【実例解説】ハチミツ療法&PUFAフリーの危険性〜生化学編

この記事は「栄養学編」の続きです。

【実例解説】ハチミツ療法&PUFAフリーの危険性〜栄養学編

—目次—

  1. 運動しない限り多量の果糖は肝臓と筋肉に有害な影響をもたらす
  2. 果糖は全身の脂肪を減らすが肝臓の脂肪を増やす
  3. 果糖は脂肪酸燃焼を止めミトコンドリア機能障害を起こす
  4. FAO(脂肪酸酸化)を止めるとリポリシス(脂肪分解)が増加し代謝が低下する
  5. もう一度確認 〜 果糖はFAOを止めリポリシスを増加させる
  6. 大量の蜂蜜がリーキーガットを引き起こす
  7. グリシンが悪影響をもたらした可能性
  8. 科学を理解しない代替医療とホリスティックの闇
  9. 治療実績がないことを確認せよ

 

 Bさんにご協力いただき、誤った健康法から発生する体調不良の謎と、果糖(フルクトース)やリポリシス(脂肪分解)の真実を、生化学から解き明かしています。

 


運動しない限り多量の果糖は肝臓と筋肉に有害な影響をもたらす

(前回からの続きです)

 このことは『自然療法はハチミツから』にも、実は記述があります。赤線部分と図の矢印と「-」の記号をよく確認しましょう。

 

 図を論文からそのまま使用しているのに引用元不掲載。崎谷博征は本当に科学に対するリスペクトがありません。

 この図を引用した原著論文はこちらです(*1)。

[参考文献*1]
Luc Tappy and Robin Rosset 
“Health outcomes of a high fructose intake: the importance of physical activity”
(フルクトースの高摂取による健康への影響: 身体活動の重要性)
J Physiol. 2019 Jul 15; 597(14): 3561–3571.

 果糖摂取と運動量の関係を調べた研究は多数あり、この論文はそれらの結果を考察したレビュー論文(総説)です。大量の果糖摂取が健康に悪いことは近年明らかになっており、世界的に摂取量低減が推奨されています。しかしアスリートにとってはどうなんだい?ということを調べようとしているのですね。

 アスリートは、スポーツドリンクから大量の果糖を摂取する方が大勢いるにも関わらず、健康を維持しています。果糖の摂取量と運動量には健康を左右する密な関係があるんじゃないの?という疑問に答えています。

 このレビュー論文が示すのは、アスリートには大量の果糖摂取に有益な効果があるはずだということ、逆に、ほとんど運動をしない一般的な現代人には、果糖は肝臓と筋肉に脂肪を溜め込み、有害な影響をもたらすだろうということです。

 ※IMCL : Intramyocellular lipids(筋細胞内脂肪)

 Bさんの血液検査、フィブロスキャン、体組成計データを振り返ってください。

  • 全身に脂肪が著しく少ないのに肝臓にだけは十分ある。
  • 筋肉にも異所性脂肪の可能性がある。

 でしたよね。この研究と一致しています。

 

果糖は全身の脂肪を減らすが肝臓の脂肪を増やす

 前述の代替医療師vanillaの昨年のブログ記事「ハチミツで太るのか?」では、「ハチミツでは太らない」と彼女は明言しています。

 はい、それは部分的には正しいです。専門的に表現すると「果糖そのものに全身体重を増加させる直接的な効果はない」ということです。

 しかし、果糖が脂肪肝や内臓脂肪を増加させるのは今や周知の事実です。生化学の教科書にも昔からそう記述されていますし、近年果糖研究は非常に盛んで、このことは決定的となっています。重要なことは、脂肪の摂取に関わらず、果糖は肝臓と内臓脂肪組織に脂肪を溜め込むということです(*2)(*3)。

[参考文献*2]
Jiantao Ma et al

“Sugar-Sweetened Beverage Consumption Is Associated With Change of Visceral Adipose Tissue Over 6 Years of Follow-Up”
(砂糖入り飲料の摂取は6年間の追跡調査における内臓脂肪組織の変化と関連している)
Circulation. 2016 Jan 26;133(4):370-7.

[参考文献*3]
Tanusree Sen et al.

“Diet-driven microbiota dysbiosis is associated with vagal remodeling and obesity”
(食事による微生物叢異常は迷走神経リモデリングと肥満に関連する)
Physiol Behav. 2017 May 1:173:305-317.

 実は体重を増加させる糖はグルコースであり、フルクトースそのものはむしろ体重を減らす効果があります(*4)。

[参考文献*4]
Ina Bergheim et al

“Antibiotics protect against fructose-induced hepatic lipid accumulation in mice: role of endotoxin”
(抗生物質はマウスにおけるフルクトース誘発性肝脂質蓄積を防ぐ:エンドトキシンの役割)
J Hepatol. 2008 Jun;48(6):983-92.

 さてここで伝えたいのは「果糖は肝臓やその他内臓に脂肪を溜め込むから危険」ではありません。肝臓含む内臓に脂肪が蓄積されることは、全体的には生活習慣病の罹患率と確かな相関があるでしょう。

 しかしふくよかでも健康な人がいることから明らかなように、脂肪そのものが健康を損なうという決定的な証拠はありません。またBさんは脂肪肝判定ではありませんでした。筋肉に異所性脂肪がある可能性はありますが、内臓脂肪レベルも体組成計のデータによれば非常に少ないです。

 問題は別のところにあります。

 

果糖は脂肪酸燃焼を止めミトコンドリア機能障害を起こす

 果糖の過剰摂取の本当の恐ろしさは、体重増加やカロリー摂取増加とは無関係に代謝障害を起こすことです(*5)。

[参考文献*5]
Samir Softic et al

“Fructose and hepatic insulin resistance”
(果糖と肝インスリン抵抗性)
Crit Rev Clin Lab Sci. 2020 Aug;57(5):308-322.

 上記レビュー論文では、このことが詳細に、広範囲にまとめられています。

 果糖は脂肪合成経路を活性化させます。ということは逆に、脂肪酸のβ酸化(燃焼)経路を抑制します。これが大きな問題となるのは至極当たり前の話なのですが、崎谷バニラ理論に骨の髄まで侵されている場合、「何が問題?」と考える人がきっといるのでしょう。なぜなら、彼らはしきりに「リポリシス(脂肪分解)と止めよ。果糖を摂取して脂肪燃焼を止めよ。」と警告しているのですから。そのために、四六時中はちみつを昆虫のようにぺろぺろと舐めたり、はちみつ水を飲み続けろと言うのです。

 脂肪が細胞に流れ込んできても燃焼できないことを想像してみてください。これなら崎谷バニラ理論の信者さんでも分かるでしょう。行き場を失った細胞内脂質から過酸化脂質が発生しやすくなります。また当たり前の話ですが、人体は糖質のみをエネルギー基質としておらず、脂肪からのエネルギー産生にも依存しています。脂肪酸酸化(Fatty acid oxidation、以下FAOと記述)が減少すると、ATP(エネルギー)が不足します。

 ATP産生の減少から尿酸産生が増加し、活性酸素(Reactive Oxygen Species:以下ROSと記述)レベルを上昇させます。もちろんROSは肝臓や筋肉の繊維化を招くことになりますし、過酸化脂質を発生させます。

 このレビュー論文の著者らは、高脂肪食に果糖を加えると、ミトコンドリアの数が増え、サイズが小さくなり、マイトファジー(古いミトコンドリアの除去)が低下することを突き止めています。小さく傷付いたミトコンドリアが蓄積することによりミトコンドリア機能不全をもたらします。さらにミトコンドリア蛋白質が減少すると共に、FAOが減少します(*6)。

[参考文献*6]
Samir Softic et al.
“Dietary Sugars Alter Hepatic Fatty Acid Oxidation via Transcriptional and Post-translational Modifications of Mitochondrial Proteins”
(食事中の糖質はミトコンドリアタンパク質の転写および翻訳後修飾を介して肝臓の脂肪酸酸化を変化させる)
Cell Metab. 2019 Oct 1;30(4):735-753.e4.

 FAOの減少は、ROSの増加とATPの減少を招きます。このミトコンドリア機能不全は、細胞への果糖取り込みをブロック(KHKノックダウン)すると回復するので果糖代謝特異的な影響です。

 また別の研究では、果糖はROSの発生とは無関係に過酸化脂質を増やすことが分かっています(*7)。この原因は、果糖代謝によって発生するMGO(メチルグリオキサール)によるものだと考えられています。

[参考文献*7]
Claudia Isabel García-Berumen et al.
“The severity of rat liver injury by fructose and high fat depends on the degree of respiratory dysfunction and oxidative stress induced in mitochondria”
フルクトースと高脂肪によるラットの肝臓損傷の重症度は、ミトコンドリアで誘発される呼吸機能障害と酸化ストレスの程度によって異なります。
Lipids Health Dis. 2019 Mar 30;18(1):78.

 [参考文献*5]ではその他、果糖が小胞体ストレス(以下ERストレス)を引き起こすことを解説しています。原因は果糖による脂肪合成経路の活性化です。小胞体はミトコンドリア機能と密に関係しており、ERストレスはミトコンドリア機能不全を通してFAOを減少し、肝臓の炎症を誘発します。

 果糖はFAOを減少させ、ミトコンドリア機能不全をもたらします。果糖の恐ろしさが、かなり明確になってきたかと思いますが、話はまだ序の口です。

 ※わからない方に説明しますが、脂肪酸の「酸化」はエネルギーとして脂肪を燃焼することを指します(FAO)。脂肪酸の「過酸化」は脂肪酸から水素原子が活性酸素(ROS)に奪われ過酸化脂質となることを指しています。

 

FAO(脂肪酸酸化)を止めるとリポリシス(脂肪分解)が増加し代謝が低下する

 ミトコンドリアでの脂肪の燃焼をストップさせて代謝の変化を観察する、非常に興味深い論文研究があります(*8)。

[参考文献*8]
Shawna E. Wicks et al
“Impaired mitochondrial fat oxidation induces adaptive remodeling of muscle metabolism”
(ミトコンドリアの脂肪酸化障害が筋代謝の適応的リモデリングを引き起こす)
Proc Natl Acad Sci U S A. 2015 Jun 23; 112(25): E3300–E3309.

 脂肪酸はミトコンドリアでエネルギーとして燃焼されますが、脂肪酸をミトコンドリアへ輸送するにはまずCPT1(カルニチンパルミトイルトランスフェラーゼI)という酵素が必要です。[参考文献*8]はCPT1bを欠損させたマウスを使用した実験です。CPT1bは骨格筋と心臓で優勢に働きますが、心臓のCPT1bは阻害せず、筋肉特異的に脂肪燃焼を阻害することで発生する代謝の変化を見ています。脂肪量が中程度(カロリーの25%)の標準的な餌を与え、対照マウス(CPT1b正常)と比較し、体重、体脂肪、代謝がどのような変化を起こすか観察しました。

 餌から脂肪を摂取するが脂肪がミトコンドリアへ運ばれないとなると、ぶくぶくと太るのかと想像してしまいますが、多くの人の直感に反する結果が出ました。以下、対照マウスと比較して、cpt1欠損マウスに起きたことを並べます。

 

【ミトコンドリアでの脂肪燃焼をブロックするとこうなる】

  1. 餌を食べる量が途中から減少していく。
  2. 体重も脂肪量も餌摂取量の減少に伴い減少。
  3. RER(呼吸交換比)の増加(=糖のエネルギー代謝率の増加)。
  4. IMCL(筋細胞内脂肪)が増加。
  5. 脂肪の代替燃料としてアミノ酸利用率が増加。
  6. 除脂肪体重の減少(=筋肉量の減少)。
  7. 軽度の筋肉損傷(変性と消失)。軽度の歩行障害。
  8. 持久力は中程度に低下。
  9. 解糖系の中間代謝産物が大量に蓄積(糖代謝悪化の指標)。
  10. しかしインスリンシグナルは阻害されない。
  11. インスリン値と血糖値は低い(=インスリン抵抗性は無い)。
  12. ミトコンドリアは巨大化し数も増えた。
  13. ミトコンドリアは細胞内の肥大化した脂肪滴を取り囲むように巨大化・増加した。
  14. ペルオキシソームがミトコンドリアの代わりに脂肪燃焼を増加させた。
  15. 遅筋のグリコーゲン量が減少。
  16. 脂肪組織での脂肪分解が増加。
  17. 活動量が低下し、エネルギー節約モードに入る。

 分かりやすいように、増加するものと減少するものに分けます。

【増加】

  1. RER(糖質のエネルギー代謝率)
  2. IMCL(筋細胞内脂肪)
  3. 脂肪の代替燃料としてアミノ酸利用率
  4. 解糖系の中間代謝産物(糖代謝悪化の指標)
  5. ミトコンドリア数とサイズ(脂肪滴を取り囲むように)
  6. ペルオキシソームによる脂肪燃焼
  7. 脂肪組織での脂肪分解

【減少】

  1. 餌の摂取量
  2. 体重と脂肪量
  3. 除脂肪体重(筋損傷と歩行障害を伴う筋肉量減少)
  4. 運動の持久力
  5. インスリン値と血糖値
  6. 遅筋のグリコーゲン量
  7. 活動量(エネルギー節約モード)

 筋肉で脂肪燃焼を止めることで起こる影響を、もっと分かりやすい言葉に変えます。

  • 糖代謝が活性化し
  • インスリンシグナルが正常化し
  • もちろん血糖値は正常だが
  • 筋肉が減り
  • 筋細胞内に脂肪が溜まり
  • 脂肪組織の脂肪は減少し
  • 軽度の筋損傷と運動障害が発生し
  • 筋肉量の低下と共に餌の摂取量は減少し
  • 活動量が低下しエネルギー節約モードに入る。

 これはBさんが陥った状況と類似しています。「栄養学編」で示したデータを振り返ってください。以下にまとめます。

  • 体脂肪が減少し
  • 筋肉も減少し
  • 筋細胞内には脂肪(IMCL)が豊富な可能性があるが
  • 空腹時血糖値は正常
  • 重度の障害は血液検査から読み取れない(オールA判定)

 そして食事量についてですが、Bさんは「産後(2年前)から食べているのにも関わらず、太れなくなってしまった」と私に伝えました。その後、10日間Bさんの食事3食すべて拝見しましたが、報告漏れがないのであれば、決して食事量は多くありませんでした。

 「食べられる量が減ってませんか?」と質問すると「昔と比べると間違いなく減っている」とのこと。つまり、よくあるダイエットや少食健康法のように、食事量を抑えようと我慢しているつもりはないのです。むしろ「食べ過ぎているのかもしれない」という言葉が出てくるほどで、身体が少ない量の食事しか受け入れない状態となっていることが示唆されます。

 

 [参考文献*8]の著者らはその後、餌の脂質量25%ではなく脂質量10%の高炭水化物低脂質食を与えたらどうなるかを新たに研究しました(*9)

[参考文献*9]
Jaycob D Warfel, Shawna E Wicks et al.
“A low fat diet ameliorates pathology but retains beneficial effects associated with CPT1b knockout in skeletal muscle”
(低脂肪食は病状を改善しますが、骨格筋における CPT1b ノックアウトに関連する有益な効果は保持します)
PLoS One. 2017 Dec 14;12(12):e0188850.

 結果は、糖の摂取量が増えてもCPT1b欠損マウスの良好なインスリン感受性は変わらず。そして脂肪と筋肉の減少や活動低下を抑えることができました。

 つまり脂肪からエネルギーを得られない分、糖とアミノ酸からエネルギーを得るしかない状況の中、餌から脂質を排除することで生体の恒常性を維持することが出来ています。脂肪燃焼をブロックして脂肪を摂取すると、エネルギー利用できないことから著しく痩せていく結果が出ています。

 この研究で新たに判明したことは、CPT1b欠損マウスではFGF21(Fibroblast growth factor 21)が増加することです。FGF21の詳しい作用は今回は控えますが、飢餓、ケトン食などで増加し、脂肪分解を促進します。そして果糖の摂取でも血中レベルが著しく増加することがわかっています(*10)

[参考文献*10]
Jody R Dushay et al.
“Fructose ingestion acutely stimulates circulating FGF21 levels in humans”
(フルクトースの摂取はヒトの循環FGF21レベルを急激に刺激します)
Mol Metab. 2014 Oct 8;4(1):51-7.

 

もう一度確認 〜 果糖はFAOを止めリポリシスを増加させる

 もう一度大事なことを確認しましょう。果糖はFAO(脂肪酸酸化)を抑制します。

 FAOをブロックしたマウスによる実験(*7,*8)と、果糖大量摂取によって起こること(*5,6)は似ています。共にFAOが減少し、体重が減少します。CPT1b欠損も、果糖の大量摂取も、食事中の脂質を増やすことで代謝障害を起こします。

 前者と後者の異なるところは4つあります。

 1つ目は、前者は果糖を餌として多量に与えていないことです。脂肪燃焼をブロックし、高ブドウ糖負荷をかけるとどうなるかを調べています。果糖による代謝障害の可能性は調べられていません。

 2つ目は、インスリン感受性とミトコンドリアの大きさと数です。

 3つ目は、前者は最大のROS発生源であるミトコンドリアに脂肪酸が入らないことです。おそらく過酸化脂質生成が抑えられ、それがミトコンドリアへのダメージを防いでいることを原因として、後者のようにインスリン抵抗性を起こさず、ミトコンドリアのサイズと数の減少も起きないのだと考えられます。

 4つ目は、前者は骨格筋特異的CPT1b阻害の結果を見ていますが、果糖はCPT1αを抑制します。CPT1αは、脳、腸、肝臓、腎臓、肺、卵巣、膵臓、脾臓に存在します。

 

 分かりやすい言葉で、脂肪燃焼が低下する影響を伝えます。

 私たちは動物実験のようにCPT1活性をほとんど完全に阻害することはできませんし、脂肪摂取を極端に減らすと、それはインスリン感受性以外の別の問題が発生します。脂肪燃焼が果糖の大量摂取によって抑制されると、一般的な脂質摂取量(総カロリーの25%)においても、筋肉も脂肪も分解されていく可能性があります。その本質的な原因は、エネルギー代謝障害によるATP不足を果糖が招くことにあります。

 果糖過剰摂取の悪影響は、最初に腸と肝臓で発生します。なぜなら、腸と肝臓がほとんどの果糖を代謝する場所であり、CPT1αは筋肉ではなく腸と肝臓で優勢です。

 

 実際、Bさんに起きていることと、恐ろしく一致しています。各種検査データからは激しい炎症の兆候は見られないものの、明らかな肝機能の問題が見られ、腸の不調も自覚があり、筋肉も脂肪も異化されています。

 

 高級オーガニック生ハチミツの大量摂取が、この結果を生み出します。リポリシス(脂肪分解)とプロテオリシス(タンパク質分解)を止めるためにハチミツを大量に食えと崎谷博征と代替医療師vanillaは熱心なフォロワーに訴えかけますが(ハチミツを売るためにね)、実際に止まるのはFAO(脂肪酸のβ酸化)であり、リポリシスもプロテオリシスも亢進してしまうという、なんとも皮肉な話です。

 

 厳格なハチミツ療法で「生体内核爆発リポリシス」が起きる可能性があります。しかしすごいネーミングセンスです。よほどリポリシスに対する恐怖が無ければ「生体内核爆発」など思いつくはずがありません。もしくは脂肪を燃やせ!という世の中の健康常識に対する強烈な逆張り根性か。

 彼は、自身のセオリー(まあレイ・ピートのパクリですが)で、逆にリポリシスが起きる食事法を提供しています。

 

 リポリシスの真実についてご理解いただけたかと思いますが、残念ながら、話はこれで終わりません。

 果糖大量摂取の最悪の影響がまだ残っています。それは…….

 

大量の蜂蜜がリーキーガットを引き起こす

 それは………大量の果糖が、それが高級オーガニック生ハチミツであったとしても、腸内細菌叢の悪化を招き、リーキーガットを引き起こし、エンドトキシンによって肝障害を起こすということです。

 Bさんは血清鉄が低いにも関わらず、フェリチンが比較的高値でした。フェリチンは非アルコール性脂肪性肝疾患で高値になることがよく知られています。そして肝臓の繊維化がF3ステージに向かうに連れて上昇し、F4では低値となるようです(*11)。BさんはF2の初期段階あたりであり、基準値を超えない程度の高値という状況です。

[参考文献*11]
Elena Buzzetti et al.
“Evaluating the association of serum ferritin and hepatic iron with disease severity in non-alcoholic fatty liver disease”
(非アルコール性脂肪性肝疾患における血清フェリチンおよび肝鉄と重症度との関連性の検討)
Liver Int. 2019 Jul;39(7):1325-1334.

 非アルコール性脂肪肝炎において、肝常在性マクロファージであるクッパー細胞の鉄蓄積が肝線維化を促進することが分かっています(*12)。

[参考文献*12]
Yohei Kanamori et al.
“Iron-Rich Kupffer Cells Exhibit Phenotypic Changes during the Development of Liver Fibrosis in NASH”
(NASHにおける肝線維化の進展過程で、鉄を豊富に含むクッパー細胞が表現型の変化を示す)
iScience. 2021 Jan 5;24(2):102032.

 Bさんの肝臓は、フィブロスキャンの測定によれば繊維化傾向を無視できません(F2)。それを鉄が促進していますが、Bさんの場合においては食事からの鉄過剰摂取ではないでしょう。原因は果糖です(*13)。

[参考文献*13]
Ceren Guney et al
“The impact of dietary fructose on gut permeability, microbiota, abdominal adiposity, insulin signaling and reproductive function”
(腸管透過性、微生物叢、腹部脂肪蓄積、インスリンシグナル伝達および生殖機能に対する食事性果糖の影響)
Heliyon. 2023 Aug 9;9(8):e18896.

 過剰摂取の果糖が腸のタイトジャンクションを脆弱にし、エンドトキシンが門脈にリーク、クッパー細胞を刺激し、肝炎が起こるという仕組みです。 

 崎谷理論を鵜呑みにしている方は上の書籍のコマーシャルが頭に刷り込まれているので、そんなはずはないとか、蜂蜜の果糖(崎谷式に言えばハニーフルクトース)は別だ!と考えるのでしょう。

 しかし2020年代において、果糖がリーキーガットを起こしエンドトキシンによる肝炎を起こすことは、サイエンスの世界ではほぼ常識的な話です。その状況下で、書籍最大の売り文句を「ハチミツがエンドトキシンをブロックする」にしたのは、崎谷博征の偉大なる逆張り根性によるものだと、私は半ば感心しました。ある意味、やることが徹底しています。

 

 私からは口酸っぱくこの一言です。「毒となるか薬となるかは量と期間が決める」。

 蜂蜜大さじ6〜8は、ディスバイオシス(腸内細菌叢の乱れと機能低下)を起こすのに十分な量です(*3)。

 これはエネルギー代謝学第2回「糖代謝メカニズムの全貌 前編」(2019年6月開催)で私が作成した資料の一部です。文中で紹介している研究論文(*3)では、ラットの餌の総カロリー中17%を砂糖に砂糖に置き換えると腸内細菌異常と多様性の消失が起こる結果を導き出しました。

 しかし1日に2000kcalを摂取する人が黒糖50gを食べた場合、1日総摂取カロリーの9%です。1日に1800kcalを消費する小柄な女性を想定しても9.7%におさまります。

 黒糖50gとは、上の商品の小袋1つの量です。これくらいの量であれば、白砂糖より黒糖は栄養に富み、抗酸化物質にも富むので、食べても問題ありませんよと私は伝えていました。その時に受講生から「崎谷先生とバニラさんはハチミツ大さじ6〜8を勧めている」と聞いて、衝撃を受けました。

 ハチミツ大さじ8は553kcalで、1日に1800kcalを消費する女性を想定した場合、以前にも説明しましたが総摂取カロリーの30%以上(!!!)になります。

ハチミツに栄養が少ない理由 / 「自然治癒はハチミツから(崎谷博征, 有馬ようこ共著)」書評1より

 あれから3年、崎谷博征と有馬ようこ共著の『自然治癒はハチミツから』によって、倫理的な理由により研究は不可能な、高フルクトース長期摂取の人体実験が行われています。皮肉なことに、崎谷博征と有馬ようこが正義感たっぷりに啓蒙しているmRNAコロナワクチンにまつわる陰謀論のようです。

 

 ちなみに、ラットではなく猿でも同様の結果が出ています(*14)。

[参考文献*14]
Kylie Kavanagh et al.
“Dietary fructose induces endotoxemia and hepatic injury in calorically controlled primates”
(食事から摂取したフルクトースは、カロリー管理された霊長類において内毒素血症と肝臓損傷を誘発する)
Am J Clin Nutr. 2013 Aug;98(2):349-57.

 17頭のサルに高果糖・低脂肪食を最大7年間自由摂取させ、対照サル群(10頭)と比較しました。結果はもちろん、糖尿病発症率が増加しました。

 この研究は2つの群に与える餌を、炭水化物中の果糖の割合以外も異なるものを与えていることに問題点があります。特に問題なのが、対照サル群に与えられる炭水化物が穀物デンプン(種類は記載なし)+食物繊維に対して、高果糖摂取サル群は小麦粉+果糖であり、対照サル群に与えられるタンパク源がホエイ、穀物、魚粉に対して高果糖摂取サル群はカゼイン、ラクトアルブミン、小麦粉だということです。小麦グルテンの問題が、高果糖摂取サル群に顕著に出ている可能性があります。

 しかしそれを差し引いても、マウスやラットではなく人間に近い霊長類で行われた貴重なデータです。特筆すべきは、自由摂取ではなく、カロリーコントロールを行った場合の果糖摂取サル群の結果でした。わずか6週間のうちに起きたのは、肝臓の著しい炎症、しかし壊死はしておらず、脂肪は蓄積していませんでした。体重は両群で差がありませんでした。

 

 重要なことは、非肥満で脂肪肝診断がなく、繊維化傾向が認めらるフィブロスキャン測定結果のBさんと、この研究の高果糖低脂肪の餌を与えられたサルの状態は、非常に似ているということです。

 適切に食事のカロリーコントロールをした場合、果糖は肥満も脂肪肝も起こさずに肝臓の炎症を起こす可能性を、非常に強く示唆しています。

 その原因が、ディスバイオシス(腸内細菌異常)とリーキーガットから発生する、エンドトキシンの肝臓へのリークです。この研究論文のタイトルにあるように、カロリーコントロールされた高果糖摂取サル群では、門脈血症中に有意に高いエンドトキシンが検出されました。

 

グリシンが悪影響をもたらした可能性

 もうひとつ、ハチミツと並んでBさんの健康を悪化させたことが強く疑われるものがあります。それはBさんが大量に摂取していたサプリメント「AminoTropic」です。

 

AminoTropic(コラーゲンサポート)/ Holistetique

 1箱で30袋入り、不調に悩む方には1日3袋を推奨、税込12900円。

 原材料はコラーゲンペプチド(グリシンが含まれる)とグリシンです。つまり主に「グリシン」がハチミツとの併用によって悪影響をもたらしたのではないかと、私は推測しています。アミノトロピックは一般的なサプリメントのようにグリシン何mg含有と記載がありません。しかしグリシンが含まれるコラーゲンペプチドに、さらにグリシンが添加されていますから、そこそこの量以上はグリシンが含まれるはずです。

 販売サイトHolistetiqueには、このように説明書きがあります。

グリシンの作用としては以下が論文とともに認められています。

・糖のエネルギー代謝を活性化
・同化作用
・抗電磁波作用
・リポリシスをブロック (PUFA問題の対処に)
・抗不安作用、睡眠促進効果
・エンドトキシンの炎症を緩和

 グリシンをサプリメントとして摂取した際の影響は、まだまだ未解明な部分が多いです。現状出ている情報だけで解釈しようにも、生体内での他の影響を受けながら結果は変わり、代謝経路も非常に複雑です。現段階では、明確な結論を導き出すには時間が足りませんでしたが、論文を紹介しながら問題提起をしておきます。

 

 グリシンが肥満のインスリン抵抗性を改善することを期待して研究したものの、in vitro(試験管)では期待通りだったが、in vivo(動物実験)では期待と逆の効果が出てしまった報告があります。

 グリシンはインスリン抵抗性を悪化はさせないものの、改善効果は全くなく、糖新生の亢進を通じて耐糖能を悪化させました*15)。

 この研究の肝は、低容量のグリシン(人間がサプリメントで通常摂取する程度の量)で耐糖能の悪化が認められたということです。果糖は肝障害から耐糖能を悪化させますが、グリシンがもし耐糖能を悪化させるのであれば、果糖を大量に含むハチミツとの併用において悪影響が強化される可能性があります。

[参考文献*15]
Anaïs Alves et al
“Glycine Supplementation in Obesity Worsens Glucose Intolerance through Enhanced Liver Gluconeogenesis”
(肥満におけるグリシン補給は肝臓の糖新生の亢進を通じて耐糖能不耐症を悪化させる)
Nutrients. 2022 Dec 24;15(1):96.

 次に考えられるのは、腸内環境に対する影響です。蜂蜜は果糖、オリゴ糖、グルコン酸、グルコースオキシダーゼ、ポリフェノールなどによって、特定の細菌に餌を与えて増殖させる作用と、殺菌する作用の双方を持ちます。

 

 参考に、崎谷博征のパレオ協会websiteの記事を引用します。

Q&A『SIBOとハチミツについて』/ 原始人食 – 社団法人パレオ協会

(ご質問内容)
SIBO症状とはちみつ摂取のことで質問です。
多糖類を少なめにして、4か月ほどハチミツを積極的に摂取しています。(毎日大さじ6~8程度)

ですがハチミツを摂取するとSIBO症状悪化するように感じます。(特にオリゴ糖が多く含まれるはちみつを食べるとより一層ひどくなります。

 ハチミツ大さじ6〜8を4ヶ月ほど摂取し、SIBO(腸内細菌異常増殖症)症状が悪化しているという報告があります。

 グリシンは腸内細菌に非常に利用されやすいアミノ酸です(*16)

[参考文献*16]
Anaïs Alves et al

“Glycine Metabolism and Its Alterations in Obesity and Metabolic Diseases”
(肥満および代謝性疾患におけるグリシン代謝とその変化)
Nutrients. 2019 Jun 16;11(6):1356.

 特定の細菌を増やす(相対的に特定の細菌は現象し、腸内細菌叢バランスが変化する)という点において、ハチミツと似た作用を持ちます。

 グリシンの語源は、ギリシャ語で「甘い」を意味するglykysです。甘いハチミツや果糖と共通した性質を持つのは興味深いところですが、他にもグリシンと果糖の共通点は幾らかあります。

 今回の記事では、食事ではなくサプリメントでグリシンを多量に摂取すると、蜂蜜の多量摂取と併用した場合において糖代謝と腸内環境に悪影響が出るのではないか?という可能性を提示しておきます。

 厳格なPUFAフリーも、腸内環境を悪化させます。彼らの主張によれば、安心な野菜は生にんじん、きのこ、さつまいもくらいです。青菜、海藻類、豆と種子類は禁忌なので、食物繊維の摂取量が劇的に減り、腸内細菌叢の悪化を招きます。

 これで生化学講義は終わりです。

 

 ※参考情報にすぎませんが、Holistetiqueのハチミツを売るハチミツ療法家を名乗る人物(村上久美/kumi.honey_mother.happiness)も、アミノトロピックを飲むと調子が悪くなる方がいる、腸の状態が良くない人にはアミノトロピックはおすすめしないと発信しているのを見たとBさんから聞いています。

 

科学を理解しない代替医療とホリスティックの闇

 最後に、生化学という言葉を売りにしながらTUEET(メタトロン機種)でビジネスをする代替医療師vanillaの弟子がBさんの健康を悪化させたという話から、皆さんに代替医療の問題点を提示し、騙されないためにはどうしたら良いのかを解説して締めくくっていきます。

 

 Bさんは定期的にメタトロンでの体調チェックに通っていました。行き先は崎谷博征と代替医療師バニラが販売するTUEETを使うバニラの弟子です。

 Bさんは、夏の終わり頃から軽度ですが指の関節のこわばりが起きるようになっていました。春頃には、これも軽度ですが足の痺れなども発生しています。ここまで私の記事を読んだ方は「ハチミツのせいやな」で納得すると思います。Bさんをメタトロンでチェックしているセラピストは、「ハチミツを一度に多く食べず、水に溶かしてちびちびと飲むように」と伝えたそうです。

 それで、その軽度の指の強張りがなくなったとのこと。Bさんは「ハチミツ水が効いた」と考えました。

 

 私は、そもそもの話として指の強張りは長期間のハチミツ摂取によって起きている可能性があり、一度に大さじ2杯を食べることをやめたことにより、一気にハチミツが体に入っていくことがなくなったから(ハチミツの弊害が薄まった)、指の強張りがなくなっただけでは…….と伝えました。

 食事アドバイス期間中、いつものようにメタトロンチェックへ足を運んだBさんに、メタトロン測定結果写真撮をお送りいただきました。

 腸では「腸内細菌失調症(=ディスバイオシス)」と最も共鳴していました。これもまた今回解説している筋書き通りですが、セラピストは崎谷理論に従っているため、むしろハチミツこそがディスバイオシスを治すと考えたことでしょう。

 かなりの長期間ハチミツを大量摂取し続けて、今なおディスバイオシスという結果が出ており、Bさんが腸の不調を感じているという事実に疑問を持ちません。

 

 私から脂肪肝のリスクを伝えられていたBさんは「ハチミツで脂肪肝になったりしないですか?」とセラピストに聞きました。すると、「それは絶対にない!」と断言されたと。

 確かなことは、このセラピストは自分で論文を読んだりしないということです。なぜなら、果糖が脂肪肝を起こすことを証明した論文は山のようにあり「絶対に脂肪肝にならない」と反証することは不可能だから。また今回私が解説したように、脂肪肝にならなくても肝障害を起こします。

 では論文を読みもしないのになぜ断言できるのかというと、教祖の言うことを鵜呑みにして、信じて疑わないからです。無知こそが、強力な自信とパワーを与えます。

 このセラピストに限らず、TUEETを使う連中は、崎谷博征と有馬ようこも含めて、だいたい以下の画像のように考えています。

 

 とにかく生化学のページを見て、上の画像のように騒ぐ。 

 このページに低血糖とは書いてないし、そもそも、急性ではなく慢性的な低血糖に対して大量のハチミツを毎日舐めろというのは理屈として非常におかしい。

 

 事実を復習しましょう。

 大量の果糖がFAOをとめ、リポリシスを起こし、遊離脂肪酸を増やします。

 

 このふざけたセラピストは誰だとBさんに聞くと、駆け出しのころの私の脂質講座に1度来ている面識のある人物でした。

 

 しかも、『ハチミツには栄養が少ない』の記事に、いいね!しているという………他人の健康に責任を持つ立場であるはずが、お気軽なものです。もしこれを機に、根本的に自分の無知と無責任を改めるのであれば話は別ですが。

 

 アカウントを覗けば、ストーリーズに「バニラさんとコラボライブ」と。まあ宣伝効果は高かったでしょう。Bさんがメタトロン測定のために足を運び、大金を注ぎ込んだのも、バニラ効果が高かったはず。

 神田ホリスティックひふ科で週1でやってるみたいです。鈴木ゆかりのアカウント名もholistic。

 

 残念ながらこれ↓が正しいと言わざるを得ないという状況です。

 彼女は崎谷博征の生化学講座に50万ほど支払っているかと思います。その結果がこの有様。

 生化学のせの字もわからないレベル。

 これは現代医療には決して存在しない、代替医療とホリスティック・ビジネスの深い闇です。

 ホリスティック(Holistic)という言葉は、ギリシャ語で「全体性」を意味する「ホロス(holos)」を語源としています。あらゆる物事を俯瞰し本質的な理解へと達することが、本来のホリスティックの精神であるはずです。

 ところが「現代医療ではないものすべてに手をつけるだけ」というただの浅はかさ、「ナチュラルっぽいものならなんでもOK」という偏りと偏見ばかりが目立つ現状は、残念でなりません。

 人の健康をサポートしたいのか、金儲けがしたいだけなのか、自分に厳しく問うべきでしょう。

 

治療実績がないことを確認せよ

 さて、どうしたら代替医療とホリスティックビジネスに鴨にされ、健康と金を奪われずに済むのでしょうか?

 簡単にできることがあります。それは治療実績を確認することです。

 『自然治癒はハチミツから』には、ハチミツ療法による改善例がわずか2例のみ掲載されています。そのうちの1人が「ハチミツで生理が戻った女性」として19ページに掲載されています。

 それは私が2020年に、5つの記事ににわたりメタトロンセッションレポートを掲載した、私のクライアント「女性Aさん」です。

 

2020.07.10  女性Aさんからのレスポンス no.2 **

2020.07.10  闘争・逃走反応の本質**

2020.07.05  クライアントへ送ったメタトロンセッションレポートno.2**

2020.07.05  女性Aさんからのレスポンスー本音が次の扉を開く**

2020.07.05  クライアントへ送ったメタトロンセッションレポートno.1**

2020.07.05  創造的に生き、全てを学び尽くす為に人生は在る**

 

 「ハチミツで生理が戻った」の馬鹿げた実情は以下の通り。

 たった2例の改善報告の1例がこれ。結局ハチミツで健康にならないので、私のところへ来ています。今回のBさんと一緒です。

 

 シンプルに考えてください。「糖尿病は砂糖で治す!」とか、「ガンは安心させてあげなさい」とか、「アトピーは正しく理解してやることをやれば必ず治る」という人達の書籍に、なぜ糖尿病、がん、アトピー(乳児湿疹ではないですよ!)が治ったという治療実績の掲載がないのでしょう?

 

 素直に読めば、それが事実のすべてを物語っています。そもそもの話として、何年経ってもいまだに崎谷博征は腹部肥満すらコントロールできない。SNSに上がっている写真を見れば分かります。

 

 生化学的な理解で、なんでも病状をコントロールできるとは思いませんよ。それは私もできない。

 しかし何年経っても自分のメタボ腹すら治せない人間が、他人の糖尿病治療など出来ると思いますか?

 

 そして私は崎谷博征と有馬ようこと共に行動していたのでよく知っていますが、彼ら2人はBさんのように、彼らが推奨する食事法を厳格に実践などしていません。

 もし厳格に実践していたら、Bさんのように痩せ細るでしょう。中途半端に実践して、うまいもん食ってるので、メタボ腹になるのでしょう。

 

 体型すら維持できない人間に、食事指導などできるわけないでしょう?

 (私は肥満の存在否定をしてません。食事指導して糖尿病を自然療法で治せると断言するなら自分がデブではダメだと言ってます。立場の問題。念の為。)

 

 以上、簡単な「代替医療とホリスティックビジネスに鴨にされない方法」でした。Bさんについてですが、ハチミツ摂取を大幅に減らし(1日に小さじ1〜2杯)、PUFAフリーを解除(魚類、大豆製品、青菜、海藻なども食べる)したことで、「夜目が覚めることがなくなり、よく眠れるようになった」とご報告をいただいています。

 身体を異化する(脂肪を落とす)よりも同化する(筋肉と脂肪をバランスよくつける)方がよりエネルギーを必要とするので時間がかかるとは思いますが、健康的な身体を取り戻せることを願っています。

崎谷博征 / 有馬ようこ共著 『自然治癒はハチミツから』 Theリアル質問道場セミナー

 12月18日のセミナーまで、おそらくハチミツと果糖について、今回が最後のブログになります。

 年末から年明けまで占星術仕事に戻る必要があり、ご質問に関する論文を読んで資料化するだけで精一杯です。ブログを書く時間が取れそうにありません。

 『自然治癒はハチミツから』に掲載されるエビデンス論文を読めば読むほどに、崎谷博征が唱える理論は間違っていて、私が主張することは正しいことが分かってくるという、目から鱗のセミナーとなるでしょう。そして科学に信頼を置けるようになるはずです。

 開催後も一定期間の録画販売をするつもりですが、当日参加にはフリー質問タイムがあります。これは録画販売ではカットする可能性がありますので、ぜひ当日ご参加ください。なんでも質問をお待ちしております。

 

エネルギー代謝学セミナー2024

 エネルギー代謝学2024も、12月中には詳細第1弾をアップします。本気で生化学を勉強したい方、ぜひご検討ください。

 もう何者にも騙されなくなります。

 

 過去のセミナー&セッションのご感想は「#セミナーの感想」からご覧頂けます。お申し込みの参考にしてください。

 

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藤原 悠馬生化学(生物学) / 西洋占星術
セミナー / セッション

「症状の原因を根本から読み解く エネルギー代謝学」セミナー主宰。細胞レベルの代謝、病理、自然界、食文化を縦横無尽に繋ぐ他に類を見ない圧倒的な俯瞰力と分析力が話題を呼び、全国から多数の現役医師、治療家、薬剤師、美容家、栄養士、料理人、ボディインストラクターなどの健康・治療業界のプロから一般の主婦までがセミナーへ集う。どこにも所属しない、日本で唯一のフリーランスの生化学講師。2019年より「生化学講師が教える 占星術の基本の考え方とホロスコープチャートの読み方講座」を始動。IC魚座29度「プリズム」/MC乙女座29度「読んでいる書類から秘密の知識を得る男」。全ての生命の普遍的な創造原理を、文献や生活の全てから抽出し、具体化するのが生業。

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藤原 悠馬生化学(生物学) / 西洋占星術
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