久しぶりとなりましたブログです。
9月末にメタトロンセッションをやらせて頂いたのですが、自分自身の精神的な問題、課題に大きくぶち当たることとなり、葛藤… と表現するのは痴がましい、単に迷走していました。
でも、それが私のすべて糧となる。とっとと成長し、これからの生き方、仕事に反映させていくのみです。
ということで、ワクチン講座も、心新たに再開します。(2021年1月よりオンラインでの開催です。詳細はこれからとなります。)
コロナについてもあれこれ世間はざわついているようですが、今回はロタウイルスに焦点を絞ったブログ記事を書きます。
ロタウイルスワクチンが、今年の10月から定期接種(無料接種)となりましたので…
もうそれなりに大きなお子様ならば、ロタウイルスワクチンが無料?生後3ヶ月?そんなのもう関係ねぇって話ですが、これから赤ちゃん生みます〜という方にとっては、ちょっと気になる所ではないかと。
って関係ねぇって思っている方も、コロナに限らず、これからもあらゆるウイルスが問題となるだろうと思います。
このブログ記事で、ロタウイルスワクチンに関連する私が重要だと思う点はすべて触れていきます。これを読むだけで十分ですが、いまいち理解が出来ない〜!もっと知りたい〜!他のワクチンに指定されている疾患も理解したい〜!という母ちゃん。オンライン講座で会いましょ。(宣伝です。笑)
そして何よりも、ロタウイルス、コロナウイルス、というウイルスの種類は枝葉の話であり、感染症の本質ではないということを最も伝えたいと思っています。
それでは長い記事となりますが、なるべくわかりやすく書いていますので、ぜひ最後までお付き合いくださいな^^
目次
- ロタウイルスとは?
- 胃腸炎とは何なのか?
- ロタウイウルスワクチンについて
- ロタウイルスワクチンの2種類の違いを知ろう
- 感染症とどう向き合うか
1、ロタウイルスとは?
ロタウイルスの構造の話から。
って、こんなの全く知らなくて良いのですが、ロタウイルスワクチンは2種類あり、その違いを理解しようと思った時に必要となるので、まずはここから始めます。
- ロタウイルスは3層構造、外層にVP4(P蛋白)、VP 7(G蛋白)という抗原で構成されている(それぞれ、P血清型、G血清型と規定)
- P血清型は27種類、G血清型は35種類これまでに報告されており、それらの組み合わせにより多数の遺伝子タイプが存在する
- ヒトで多くみられる血清型はP血清型がP8・P4、G血清型がG1~4・G9、で、これらの組み合わせで約88%のヒトにおけるロタウイルスの血清型がカバーできる
いきなりわかりにくい言葉連発です^^;
もちろん、こんなこと知らなくてOKです。私も知りませんでした。ここで私が知っておくべきことと思っているのは、ロタウイルスというものは色々な血清型の種類があるんだなぁということです。
「ロタウイルス」と言われても、中身がみんな同じではないのですね。それぞれ構成成分(血清型)が違う。
その中でもワクチンは3層構造の一番外側にあたる部分で、ヒトによく感染する血清型をチョイスして作られているということになります。
もう少しロタウイルスの特徴を見ていきたいと思います。▶︎国立感染研究所よりピックアップします。
- ロタウイルスの主な感染経路はヒトとヒトとの間で起こる糞口感染
- ロタウイルスは感染力が極めて高い。(ウイルス粒子10~100個で感染が成立すると考えられている)
- たとえ衛生状態が改善されている先進国でもロタウイルスの感染予防はきわめて難しい
「感染予防はきわめて難しい」といわれるとなんだか恐ろしく感じますねぇ。
そもそもロタウイルスは先進国においては命に関わるようなウイルスではありません。
ロタウイルスによる死亡者の90%以上は発展途上国です。
栄養状態、衛生環境、医療設備の充実、これらが整っている先進国にとってロタウイルスは命に関わる感染症ではありません。
そして世界中どこに住んでいていも、3〜5歳までに一度はロタウイルスに感染するといわれています。
ではワクチンは何のために存在しているのか?
感染しないようにするためではなく、感染はするが、その時に重症化しないため、という目的です。
日本では命に関わることは滅多にないロタウイルスですが、入院する子は多いのがロタウイルスによる胃腸炎です。後述しますが、嘔吐下痢症状で脱水になりやすく、その結果、入院するパターンが非常に多い。
で、入院すると病院運営が大変となるので、それを避けるためにワクチン接種によって病院の負担を減らしましょう、医療費削減にも貢献しましょう、というのがロタウイルスワクチンの立ち位置です。
2、胃腸炎とは何なのか
ロタウイルスは小腸の腸管上皮細胞に感染するとされています。
なので胃腸障害を引き起こします。腹痛、嘔吐や下痢です。
それの何が問題なのか、ということですが、正直、嘔吐も下痢もある程度は何も問題ありません。嘔吐下痢を起こさないといけない状況が終われば、いずれ終わります。
嘔吐は12時間がピーク、下痢は長くても1週間というところです。
ただ、その嘔吐下痢の症状の程度、期間は人それぞれです。ここは後述しますが、だからこそ、これが今の自分の免疫力がためされる時だと思いますし、認識しなくてはならない時でもあります。
ここは大切なところです。
よく自然派的な考えだと、症状すばらしい!という風潮がありますが、すぐに風邪を引いたり、熱を出したり、発熱してもなかなか解熱しなかったり、それは決して症状を出すことができて素晴らしいというわけではありません。単に自分自身の免疫力が負けている状態です。
嘔吐下痢症状も同じです。
嘔吐下痢症状は私たち自身が引き起こしている病態です。なぜ?そこにウイルスや細菌が私自身の体にとって有害な状態となっているから。
嘔吐下痢を起こすということは、体にとって、それだけ異常自体です。
もちろん免疫力がまだ未熟な乳幼児はある程度の症状は起こりますし、そうして免疫力を強化していきます。ただ、だからといって症状=素晴らしい、という発想は危険です。そんなことを思うのは一部の自然派かぶれな方々だけだと思いますが… あ、過去の私か^^;
ロタウイルスによる嘔吐下痢症状が引き起こされるメカニズムは以下です。
感染しても、誰もが激しい嘔吐下痢症状を起こすわけではありません。
免疫細胞がウイルスを排除すれば症状はさほど出ません。上の図で言えば②の発症まで至らなかった。
反対に、症状が激しく出るということは私たちの体が増殖を抑えることができなかったとも考えられます。症状が長引くことも同じ理由が考えられます。最終段階である③の回復までなかなか至ることができない。
ワクチンが重症化を防ぎます、と言われますが、本当の意味で重症化を防ぐのは、私たちの免疫に左右されます。
まさに今、感染して症状が出ている時は、もちろんそれを乗り越えるために自然療法や西洋医学の力を借りることは必要な選択です。
でも、その時に我が子の症状の程度は、経過はどうだった?
その子のたくましさ、外敵と戦う力、生きる力、それらがすべて、試される時が症状が起きた時だと思っています。
この詳細は過去にブログ記事にしています。★
そこを考慮せず
- 薬や対症療法ですぐに症状を抑える
- 症状を過剰に肯定する
これらはいずれも問題… というよりも勿体ないと思います。
繰り返しとなりますが、ロタウイルスは命に関わるようなウイルスではありません。
年間に80万人くらいの小児が感染しています。
▶︎参照:国立感染症HP ※一番右側の「感染性胃腸炎」がロタウイルスによる胃腸炎を示しています。
でも、ロタウイルスで死亡した症例は0歳児は2016年1名、2017年1名のみとなっています。▶︎政府統計の総合窓口:統計でみる日本
上記した通り、世界でもロタウイルスでの死亡に至るケースの多くは発展途上国となっています。先進国では稀です。でも、感染に関しては先進国も発展途上国も関係なく、世界中でみられています。
ここまでのまとめです。
・ロタウイルスは5歳くらいまでに誰もが感染するウイルス
・命に関わることはないウイルス
今はコロナウイルスの影響で、ウイルス=恐い、悪、という印象が強いように思います。
でも、そもそも、この世界でウイルスを排除しようというのは無理な話です。
ロタウイルスも、人だけでなく哺乳動物にも多く感染するウイルスであり、根絶することは不可能です。そもそも、繰り返しとなりますが、5歳くらいまでにほぼみんな感染し、乗り越えることができるウイルスです。決して脅威なウイルスではありません。
命に関わるほどでもないロタウイルスのワクチンの立ち位置ですが、感染しないようにするのではなく、感染しても重症化しないようにしましょう、ということになります。
ロタウイルスによる重症化とは一体なんなのでしょうか。
ロタウイルスは小腸の腸管上皮細胞に感染するため、嘔吐や下痢の症状が出るということはすでに説明しましたが、繰り返となりますが、嘔吐下痢症状自体はさほど問題ありません。
大変ですけどね。
それに伴う脱水が問題となります。入院する理由も脱水のためです。
脱水というと、あまり大したことのないように聞こえるかもしれませんが、脱水は命に関わります。特に小さい子であればあるほど、容易に脱水となりやすい。
ロタウイルスだけに限りませんが、何らかの感染性胃腸炎となった場合は、まずは急性期(嘔吐下痢が激しい時)の脱水を乗り越えられるか、ここが大きなポイントです。
具体的な方法は話が膨らみすぎるので今回は割愛しますが、糖と塩分と水分の補給が重要、そして嘔吐を誘発しないようちびちび飲ませる。おっぱいもちびちび。
経口補水液もいいですが、我が家は黒糖と良質な塩を白湯に溶かして飲ませています。濃度はあまりに飲めない時は濃くして、嘔吐が治ってきたら薄くしていけばいいと思います。その子が美味しく飲めるような濃さが、その時に必要な量だと思います。
後は特に嘔吐による物理的ダメージを母親が乗り越えるだけです。冬場の洗濯は乾かないですしね。ここはがんばりましょ。嘔吐のピークは12時間です。下痢に関しては今は紙おむつという救世主もあります。(かぶれちゃうかもしれないので、排便の後にオイルを塗布し次のうんこが直接肌につかないようにしてあげるといいかもです。)
話を戻しまして。
脱水以外には、脳炎やけいれん、といったものも指摘されています。
これは非常に稀なケースですが、ここについては次の記事の腸重積のブログで触れていきます。ただ、誰もが感染するロタウイルスです。ロタウイルスの脅威に体が負けてしまった状態が脳炎やけいれんなのです。
ということを書くと、病気の子が悪いのか〜みたいなこと言われそうですが、いい悪いではなく単に事実です。
感染症が発症している急性期は今の状況を乗り越える。でもその後は原因を考え改善していくことに目を向けることが最も大切だと思っています。
我が家の長女も発熱すると熱性けいれんを起こしやすく、それが今の彼女の状態であると受け止めています。つまり私の妊娠中の生活習慣や、現在の精神状態などが原因であり、症状は自分自身の本質的な問題を表しているだけです。子どもならば親の問題を表しているともいえます。
私もそこを痛いほど認識する日々です。でも子育てとはその学びのためにあるとも今は思っています。
だからこそ、安易に「お母さんは頑張っている」「症状出せることは素晴らしい」「疾患を抱えている子は大変で頑張っている」そんな上っ面な言葉はむしろ優しさではなく、問題解決から真逆への道へ進んでいくと私は思っています。
人生の貴重な学びの機会を放棄することになる。
子供の嘔吐下痢に対しても、大変大変と嘆くならば、この機会に免疫力の高い子にすることへ本気で心を入れ替えればいいだけの話なのです。
そのために生活をそれなりに整えることはもちろんですが、それよりも最も重要なのが母親の心の在り方です。
今の現実から目を背けている限り、停滞どころか後退し続ける人生となる。食事を意識していますとか、すぐに薬を飲ませません、とか、そもそも、それだけで母として責任を全うしているとか思うことが間違っている。症状が起きた時に頑張って対応している母親、というのをSNSでアップすることにも違和感を感じます。
子供のためという名目で、自分を守り、子供の現状を本気で変えようという気持ちもなく、ありのままの我が子を受け止めている優しい母親と勘違いし、実は何もしていない自分を肯定しているだけ。
これら全部、私がそうだったので^^;この考えの恐ろしい罠(笑)をひしひしと感じています。
ここが私がワクチン講座を通して伝えたいところの根幹です。その考えのままでは子育ての問題はいつまでたっても解消されないどころか、自分の人生、ずっと欠乏感や虚無感を抱えていく。
ここが子育て、パートナーシップ、そして人生において最も重要だと思っています。ワクチン打つ打たないというのは枝葉中の枝葉のことです。
話を戻しまして、なぜロタウイルスのワクチンが存在しているのか?
・ロタウイルスに罹ることを予防するのではなく、重症化を予防するため
・重症化しなければ、入院する子供が減り、病院や医療費の負担が軽減される
実際にロタウイルスのワクチンが導入されてから、患者数は減少しています。▶︎ロタウイルスワクチン有効性について
日本では2011年11月に単価ワクチン(ロタリックス)、2012年7月に5価ワクチン(ロタテック)の任意接種が開始となりました。
今年2020年10月より、それぞれ定期接種となっています。
任意は希望者がお金を支払い接種していましたが、定期となった今は無料となりました。
その結果、接種する人数が増えるので、今後のロタウイルス感染症患者の推移は注目していきたいと思いますが、おそらく減っていくと思っています。
効果があるかないか、とうい視点だけを切り取れば「効果がある」と私も思っています。
でも「効果がある=打つ必要がある」と短絡的に考えることが問題だと思っています。
ということでロタウイルスのワクチンについてみていきます。
3、ロタウイルスワクチンについて
ロタウイルスワクチンというのは生ワクチンに分類されます。
ワクチンというのは、大きく分けて生ワクチンと不活化ワクチンに分類されます。
ワクチンの講座の資料の一部です。
生ワクチンは弱毒化したウイルスによるワクチンであり、実際に感染させることで免疫反応を起こして、予防しようということになります。
それに対して、不活化ワクチンは活性を失ったウイルスや細菌などで作られています。なので体に敵が来た!と体が認識しにくい。活性を失っているから。なのでここにはアジュバントとよばれる免疫活性剤が必要となります。
免疫活性剤というと聞こえがよいですが、つまりは免疫が発動しなくてはならないくらい、体にとって有害なものを不活化ワクチンには添加することになります。これが不活化ワクチンの副反応に繋がるデメリットだと考えています。
ややこしく思えるかもですが、生ワクチンと不活化ワクチン、どちらがいい、悪い、ということではなく、それぞれのメリットとデメリットがあり、その辺の詳細は講座で…とよくある流れとさせてください。笑
話を戻し、生ワクチンは弱毒化したウイルスによって実際に感染させるわけなので、今まではワクチンを接種してから27日以上あけなくては次のワクチンを打つことが出来ませんでした。
不活化ワクチンは6日以上でした。
そこも今年の10月から変更されたようです。
注射による生ワクチンは今までと変わらず4週間あけなくては次の接種は不可ですが、それ以外(経口の生ワクチン、不活化ワクチン)は接種後、次の接種は期間をあけることなくすぐに接種可能となりました。
ロタウイルスのワクチンは生ワクチンですが、注射ではなく経口ワクチンなので、これもすぐに次のワクチンを打つことが可能に。
免疫機能も未熟な子どもに、多くのワクチンを接種することがどう影響するのか、ということは次の記事で考察します。
今回のテーマであるロタウイルスワクチンは生後3ヶ月までの接種を推奨されています。なぜ?
月齢が小さければ小さいほど、ロタウイルスに感染した場合、重症化しやすいのは当然のことです。これはロタウイルスに限らず、どの感染症でも同様です。
ではなぜ、ロタウイルスは生後3ヶ月までの接種を推奨されているのか。
これはロタウイルスワクチンの副反応である腸重積に関係しています。
ロタウイルスワクチンの副反応で腸重積を引き起こすことが指摘されています。
ロタウイルスは今2種類のワクチンが存在していますが、その前に第一世代のワクチンが存在していました。ただ、それが腸重積の副反応報告が多かったということで販売停止となっています。(商品名:ロタシード)
腸重積はロタウイルスのワクチン摂取に関わらず、生後3ヶ月以降から発症することが多く、それゆえ生後3ヶ月前にワクチンを打ちましょう、ということになりました。
腸重積に関しても長くなるのと重要なところとなりますので次のブログ記事で書きます。
ロタウイルスワクチンの最後の内容として、ロタウイルスワクチンは2種類存在しています。その違いを説明させていただき、第一章は終わりたいと思います。
さぁ、もう一息、お付き合いくださいな^^
4、ロタウイルスワクチンの2種類の違いを知ろう
ロタウイルスワクチンには2種類存在しています。
いずれも経口接種のワクチンです。
商品名は
- ロタリックス(GSK社製、1価ワクチン、2回接種)
- ロタテック(MSD社製、5価ワクチン、3回接種)
どちらのワクチンを採用しているかは小児科さんによると思います。
ここではその違いを簡潔に説明したいと思います。
この記事の最初にちょろっとロタウイルスの構造について説明しましたが、人に感染するロタウイルスの血清型の中で、1種類で作っているのが1価のロタリックス、5種類含んでいるのが5価のロタテックとなります。
引用元:suzuken
となると、5価の方がたくさんの血清型を網羅しているように思えますよね。
ただ、ロタウイルスには別の血清型に感染しても、交叉免疫といって体が対応するということがわかっており、どちらも効果に差はないという見解となっています。
効果は同レベルということですが、接種する回数がそれぞれ違います。下図の左にあたる、ロタリックスは2回接種、右のロタテックは3回接種となっています。
その違いはそれぞれの親ウイルス株の違いにあります。
- ロタリックスは人に感染したロタウイルスから培養して作成
- ロタテックは牛に感染したロタウイルスから培養して作成
ロタウイルスワクチンは生ワクチン、つまり生きたウイルスを弱毒化したものを接種(内服)し、実際に感染させるワクチンとなります。
そうして、私たちの免疫細胞たちに反応を起こさせていく。
でも、ここで問題となるのが、実際に感染させるのでそのウイルス自体に私たちの体が負けてしまう可能性がある。これが生ワクチンの副反応となります。
ワクチン開発側としては、そこまでパワフルなウイルスであってはいけない。でも、弱すぎれば体が「ウイルスが入ってきたぞ!やばい!」と反応しない可能性がある。それではワクチンとしてのそもそも目的が果たされない。
そこで図の右側にあたる、ロタテックは親ウイルス株に、牛ロタウイルス株を使用しています。
牛に感染するロタウイルスならば、人間が自然宿主じゃない。つまり人間に感染させても対して問題ないっしょ。人間にとってはウシロタウイルス自体が弱いでしょ。という根拠が元となっています。(ものすごく強引な押し切り技に聞こえるのは私だけでしょうか。)
でも、それでは人に感染する種類を網羅できないので、ヒトロタウイルスから5種類の遺伝子分節組換え体を追加して作成しています。
引用元:ウイルス 第 62 巻 第 1 号,pp.87-96,2012
ヒトロタウイルスの遺伝子も加えたものの、それでも親株は牛に感染するロタウイルス。人間の腸の中でうまく定着して増殖する力が弱いそうです。
だから接種量を増やすことで定着するようにしましょう、というわけで3回の接種となっています。(1回の摂取量2ml×3回)
それに対し、ロタリックスは人に感染したロタウイルスが大元です。数こそ1種類(1価)となりますが、親株がヒトロタウイルスなので腸管でも増殖しやすく、2回のみの接種となっています。(1回の摂取量1ml×2回)
引用元:ウイルス 第 62 巻 第 1 号,pp.87-96,2012
でも、増殖しやすいということは、実際により感染しやすいということです。それが副反応報告にもつながっていきます。
次の記事に書きます副反応報告の腸重積は、ロタリックスの方が報告件数はやや多いです。(10万人に対してロタリックスは3.78人、ロタテック3.33人)
また、ワクチン接種後の排便に含まれるロタウイルス含有量もロタリックスの方が多いという報告が出ています。ロタリックスの方がヒト由来のロタウイルスが親株のため、腸内で増殖しやすく、当然の結果とも言えます。
小さくて見にくいですが、ワクチン接種後に便中に含まれるワクチン由来のロタウイルスは
- ロタテック(5価で接種回数3回のワクチン):9〜21%
- ロタリックス(1価で接種回数2回のワクチン):35〜80%
と報告されています。
初回接種後から約20%の接種者に、1ヶ月後にも便中にワクチン由来のロタウイルス株が検出されたとの報告もあります。(ウイルス 第60巻 第1号 pp.33-48,2010)
ということは、ロタウイルスワクチンを接種した後は(特にロタリックス)ワクチン由来のロタウイルス株の保菌者である可能性が高くなるということです。
これについては、ワクチンを接種していない人にもロタウイルスに触れる機会となり、集団免疫としての効果が高まるとメリットとして言われていたりもします。
でも、そもそも、3〜5歳になるまでに世界中の子どもたちのほとんどが、ロタウイルスに感染します。ワクチン由来のロタウイルス株から感染する必要性はありません。然るべき時に自然に感染します。
また、もしワクチンを接種しないことで集団感染予防としての意識が低いと指摘された場合、ワクチン接種した後に便中に排泄されることを考えると、ワクチンを打たないことは集団感染予防に関しては何の問題にもならないと思います。
ロタウイルスに感染し、重症化し入院して医療費や病院に負担をかけるべきではないと指摘をされたならば、ワクチンを打つ打たないに関係なく、自身の免疫力向上に努めることは当たり前であり、食事や生活を意識することは当然のことだと思います。
そこを疎かにし、病気になりたくないと考えたり、ワクチンを打ちたくないという選択をするのはいずれも本質的にずれていると思います。
結論として、どちらのワクチンがお勧めですか?というのは、私にはわかりません。打つと決めた方はご自身が納得できる方を選ばれたらよいと思います。
私はそもそもロタウイルスワクチンを盲目的に接種する必要あるのですか?と思っています。元気な子には不要なワクチン、ロタウイルスが脅威と思っている方は打てばよいと思います。
ワクチン接種による問題点として2019年12月に国立感染研究所がこのような見解を出しています。
「また, 複数の研究グループが, 国内外の流行株の調査を行っている(本号4ページ)。ヒトから検出されるA群ロタウイルスの主要な流行遺伝子型は, ワクチン導入以前はG1P[8], G2P[4], G3P[8], G4P[8], G9P[8]の5種類とされていた。
しかし, 近年は, これまで稀だった遺伝子型(G8)や, 動物ロタウイルス由来と考えられる遺伝子を持つ株(ウシ様G8およびウマ様G3), 新しい遺伝子型構成を持つ株(DS-1-like G1P[8], DS-1-like G3P[8], およびG9P [8]-E2)の流行が国内外で認められるようになってきた。」
これが何を意味するのか。
ロタウイルスワクチンが重症化予防をしているのはデータからも明らかです。
ただ、ワクチン導入前に流行していた遺伝子型から現在はワクチン由来株をはじめとして遺伝子が変異してきているようです。
今後、ワクチンが普及するにあたり、ロタウイルスも遺伝子型を変化していく可能性が大いにあります。これはロタウイルス側からしたら、生き残るために当然の選択です。
そのロタウイルスの遺伝子変化と共に、現行のワクチンが効果があるのかは未知数だと思います。
効果がなかったとしたら、また新しい遺伝子型のワクチンを追加接種したらよいのでしょうか。(厭味です。笑)
これは他のワクチンに指定されているウイルスや細菌にも共通の問題です。肺炎球菌についても過去にブログで綴っていますので最後にリンクを貼っておきます。
また、そもそもなのですが、ワクチンは親株であるウイルスなどを弱毒化して作っている、という説明が一般的なのですが、弱毒化するというメカニズムもよくわかっていないようです。(Vol. 32 p. 66-67: 2011年3月号)
確かに、何をもって弱毒化と定義するのか。
ウイルスの増殖能力?
でも増殖するか否かは私たちの体内に感染した時に私たちの免疫細胞によって左右されるはずです。
だから牛ロタウイルスならば人に感染してもさほど増殖できないでしょ、というのが弱毒化の根拠となりワクチンが作られている。
そして薬というものを作るためには純粋にウイルスだけがワクチンに含まれるわけではありません。以下はロタテックの添付文書からワクチンに含まれる物質です。
ワクチンの接種回数が増えれば増えるほど、これらの添加物が複合的に問題となる可能性はもちろん考えられますが、それすらが問題となるか否かも、私たちの免疫力にかかってきます。
健康な人ならば、上記のような多少の添加物も特別に問題ではないでしょう。
同様に、健康な人ならばワクチンに指定されているような感染症も問題ないでしょう。
ならば、本当の感染症に対する予防とは、ワクチンを打つことではないはずです。コロナのワクチン接種が始まりますが、本質的に状況は変わらないと思います。
5、感染症とどう向き合うか
改めてワクチンについて調べていると、ワクチンのメカニズムは不明な点が多いということを思います。そこは私たちの免疫によって著しく左右されるからです。
なので実際に患者数が減ったか否か、というところに焦点があたります。もちろんこれが目的なので当たり前ではありますが、その反面、そこだけで判断されている印象も受けます。
それよりも明らかに慢性疾患は急激に増えている。心の問題、人間関係に葛藤している人も多い。子育てやパートナーシップに悩んでいる方も多い。自殺者も増えている。
衛生状態が改善され、食べるものも選べる現代で、本当の脅威は感染症ではありません。コロナウイルスも健康な人にとって致死的なウイルスではありません。
私たちが本当の意味で向き合うべきは、ウイルスでも細菌でもない。
自分自身です。
岡本太郎さんの「己自身が最大の敵」という言葉、本当にそう思います。
感染症を乗り越えようと思った時に食事や生活環境といった物質面を整えることは、もちろん重要です。
今現在、何か疾患を抱えているのならば尚更です。
でもある程度意識をすればそれでOK。そこが本質ではないと今は思っています。
それよりも自分自身の精神に向き合うこと。
子育て中ならば母親が自分の精神に向き合うこと。
自分の人生に責任をもち生きること。
それが結果的に子供達に反映されていく。
むしろ、それしか反映されない。
感染症に罹患するしない、ワクチンを打つ打たない、そういった枝葉で葛藤していては子育ても人生ももったいない。たった一度だけの自分の人生です。
そんな想いでワクチン講座は開催させていただきます。(詳細はこちらです。)
いずれも日程や詳細はこれからとなります。詳細が決まり次第、まずはメルマガでお知らせさせていただきます。▶︎メルマガ登録
ということで、第一章は終わります。
次はロタウイルスワクチンの副反応報告として指摘されている、腸重積について考えていきたいと思います。
スポットライトは腸重積ですが、ワクチンについて考える時に重要な視点も含め綴る予定です。マニアックに思うかもですが、一つを追求していくと広い海原に繋がる瞬間を感じるのです。私がワクチンのことに興味があるのはその瞬間を味わえるからです。笑
最後に関連記事となる過去のブログ記事です。
テクノロジーによる深層心理分析セッション、受付中です。