「人それぞれ」「万人に合う食事法はない」は便利な言葉

 

最近は

 

「人それぞれ」

 

が流行語のようになっています。

 

占星術では、その人それぞれを
客観的な指標をもとに知ることが出来ます。

 

確かに、生まれ持った性格は、
まさに「人それぞれ」です。

 

それは産まれた瞬間に、
太陽とか、月が、
どの星座やハウスにあったか

などで決定されます。

 

しかし。

どんな人でも太陽のやり方で人生を切り開き
どんな人でも月は安らぎの在り方となります。

 

あなたの太陽が、月が、
どの星座に、ハウスにあったとしても、です。

 

そこは「全人類共通」になります。
太陽と月の意味が逆転している人は居ません。

 

そのような共通の仕組みがあります。

 

占星術において
生まれ持った根源的な個性はアセンダントで表されます。

 

太陽でも月でもありません。

 

その、この世に産まれ落ちた個性は、
いずれ土星に込められた象意を達成し
MCが示す社会に対する役割を全うする必要があります。

 

個人天体は全て太陽に従属するものです。
ひとつひとつが、太陽の意味を超えて、
特別に尊重されるものではありません。

 

これも全人類共通の
占星術という技法が長い年月をかけて発見した
人類に等しく当てはまる仕組み(メカニズム)です。

 

この基本を分からずに
あなたの月を大事にしましょうとか
あなたの金星を大事にしましょうとか
あたなの水星は◯◯座だから
こんな知性を持っているだとか

 

適当な知識を入れたところで
人生においてなんの役に立つのか
分からなくなります。

 

占星術という理論体系は
あくまで秩序ある基本構造の中に
多様性があることを示すものです。

 

以前も書きましたが
この問題は免疫学とよく似ていて

 

多種多様な免疫細胞の性格や
無数にあるサイトカインの作用を知ったところで

 

免疫システムの本質は「ゴミ掃除」であり
免疫細胞も他の細胞と同様に
エネルギー依存で機能している事が分からなければ
免疫システムの全体像を見失います。

 

大事な事なので繰り返しますが

 

秩序ある基本構造の理解がなければ
その中にある多様性の意味を理解できない

 

という事です。

 

これらはとても大事なことなんですけども
占星術にしろ、免疫学にしろ、先生と呼ばれる立場の人間に
この文章を読んでピンとくる方は極めて少ないと思います。

 

それだけ、
誰も根本的な基礎を理解していない状況
だと言うことです。

 

さて、
健康と絡めた食事法や食べ物についての議論も
全く同じ状況にあります。

 

だからこそ

 

「万人に合う食事法はない」

 

というセリフが最近非常に流行っています。

 

  • 糖質制限食で体調が良くなる人もいる。
  • ベジタリアンダイエットで体調が良くなる人もいる。
  • まごわやさしいで体調が良くなる人もいる。
  • 玄米食で体調が良くなる人もいる。
  • オメガ3のサプリメントで体調が良くなる人もいる。
  • ファスティングや少食で体調が良くなる人もいる。
  • 何にも気にせず好きなものを食べる事で体調が良くなった人もいる。

または、それらで体調が悪化する人もいる。

 

というような「個人的な報告」がネットを介して飛び交い

 

それらを指導している医師、治療家、セミナー講師などは

 

「◯◯食でクライアントの症状が改善した」

 

という報告を書籍やネットで発信し合うので

 

「何が本当なのか分からない」

 

というモードに一時期、陥っていたのが

 

ここ最近は

 

「結局、人それぞれであった」

 

という結論に落ち着きつつあるのではないでしょうか。

 

僕にはさっぱり理解不能な感覚ですが
人それぞれだと言うことで生命の多様性を理解しているかのような

 

むしろ「俯瞰力がある人」という印象を人々から得ることが出来る様です。

 

非常におかしな話です。
全く違う方法論が、同じ人間に、
同じ種の生物に当てはまってしまうのであれば
もはや生物学や生化学など成立する事はないでしょう。

 

この流れで

 

「人それぞれのタイプを知りましょう」

 

という流行りがより強化されてきています。

 

  • 遺伝子検査で
  • 血液検査で
  • 毛髪ミネラル検査で
  • 尿中有機酸検査で
  • IgGアレルギーテストで
  • 皮膚プリックアレルギーテストで
  • 唾液ホルモン検査で
  • 量子レベルのエントロピー測定で

 

そこに出てくる数値や波形を根拠に

 

「あなたは◯◯なタイプです」と仕分けられます。

 

これまた、僕は全く理解できない感覚なのですが
どうも「カテゴライズ」される事で安心感を得る方が多い様に見られます。

 

その理由は、

 

  • 自分の体質が明確になる事
  • 不調の原因が明確になる事

 

なんだと思います。

これは
「原因はわかった。これで自分の健康は保証される。」
と、感覚が鈍った人達がビジネスの鴨にされているに過ぎません。

 

種々のバイオ検査で散々調べて対策を打ったところで
何も解決しない人達は山程います。
僕のセミナーとカウンセリングには
そういった人達が多数集まっています。

 

検査というものは
身体全体のほんの一部分しか観察することが出来ません。

 

ただし、ほんの一部でも、
客観的に観察できる事は確かに有意義です。

 

でも結局のところ、ここに尽きるんです。

 

人間が(全ての生物が)生命を維持する
根本的なメカニズム(秩序ある基本構造)を理解しない事には
治療の手段や、生活への落とし込み方を誤ります

 

生命理論の基礎を理解していない人に
応用的な事は決して理解できません。

 

僕がお伝えしている生化学は「基礎」になります。

 

細胞内には全生物に共通して
糖、タンパク質、脂質を代謝する為の
同じ経路があります。

 

その代謝経路の本質的な理解を無くしては

 

例えば砂糖や牛乳のような特定の食品や
農薬や化学肥料が有害か否かなどを
知る事は出来ないでしょう。

 

それらは、「応用的な」知識に該当します。

 

誰も彼もが、基礎を分からずに応用を語っているのが現状です。

 

非常に重要な事を書きます。
健康をビジネスにしている側としては、分からない方が都合が良いんです。

 

生化学は決して簡単ではありません。
しかし「細胞が動くメカニズム」ですから
身体全体がどう連携して動いているかの基礎理論となっています。

 

繰り返しますが
この基礎を分からずして論理的に健康と
薬や食べ物の影響を語るのは不可能です。

 

それを所謂「先生」と呼ばれる人間の多くが
ほとんど理解していない。

 

理解するためには努力が必要ですが
苦労をいとわず努力する気も見られない。

 

現状、間違った理論で存続している
自分のビジネスがあるので、保身に走る。

 

プライドが傷つく事を恐れて
真実を知る事を意図的に避け
必死に間違った理論を肯定するエビデンスを集める。

 

もしくはあまりに俯瞰力がなく、
基礎と臨床を繋げて考えることが出来ない。
(これが最も多いでしょう)

 

このいずれかに当てはまる人達が
書籍やネットを通じて間違った応用知識を
大拡散しあっている訳ですから
本当の事など一般の人には分かるはずもないでしょう。

 

そして患者や情報の受取手となる一般の人達も
なるべく楽な方へ流れようとします。

 

わかりやすくガイドラインを敷かれ
「体質タイプの仕分け」をされて
薬、サプリ、極端な食事ガイドライン、パワーストーンを処方され
それらを服用し、ルールに従っていれば、
きっと私は大丈夫なのだろうと信じさせてもらえれば、
一時的には楽になるのだと感じるのでしょう。

 

「あなたは◯◯のタイプです」と診断する側も
高額な検査機の購入費用を取り戻すために検査を継続して受診させ
それに従ったサプリや商品を売ってさらに金を稼ぐために
患者を盲信させておく必要がありますから
治療する側と、患者と、双方にとって都合が良い訳です。

 

そんな需要と供給の流れもあり、

 

俯瞰力がない先生方も
自身のビジネスやプライドを守るのにちょうど良い。

 

その結果としての「人それぞれ」ブームが起こっている

 

そんなところでしょう。今は。

 

僕はハッキリとお伝えしておきたいのですが

 

「人それぞれ」

「万人に合う食事法はない」

 

というような事を盛んに主張する方々は

 

思考停止しているか
保身に走っているか
俯瞰力がないか
基礎の勉強が足らないか

 

そのいずれかに該当します。

 

便利な言葉ですよ。
「人それぞれ」という言葉は。

 

治療家が使う
「それは好転反応です」
という言葉によく似ています。

 

現実的に辻褄が合わなくても
その言葉で、全てが済まされる。
言い逃れが可能。

 

最後にもう一度繰り返しますが

 

この自然界に生きる生物は皆共通した、
秩序ある基本構造と仕組みを持って生きています。

 

そこから眺めた時に

 

「人それぞれ」なんて「本質的には」存在しないんですよ。

 

「人」と「魚」と「昆虫」と「植物」であれば
それぞれ違いますけどね。

 

人における目に見える多様性は、全て後天的に発生したものです。

「遺伝」はほぼ全て「エピジェネティック(環境因子)」由来 (旧ブログ)

 

  • 祖父、祖母、両親の影響
  • 母胎内の環境
  • 出生後の環境

 

これらが多様性を作っていて
その多様性は環境(食事から人間関係まで全てのこと)が決めます。

 

もともとは、人間なんて皆一緒です。

 

全ての人間に共通して

 

健康を維持できる要素
健康にダメージを与える要素

 

確かに存在します。

 

本質的な意味において、
「万人に合う食事法はない」というのは間違っています。

 

占星術でも同じことが言えます。
生まれた瞬間の天体の配置が個性を決定しますが
土星とMCの到達点へ向かう事は共通しています。

 

それにも関わらず
土星的な要素(厳しさ)を省いたものが望まれる訳です。
だからなんのために占星術を学ぶのか、結局わからなくなる。

 

エネルギー代謝学(生化学)も
占星術も、共通して

 

「秩序ある生命の基本構造と仕組み」から
「人間にとっての普遍性」
お伝えしていくつもりです。

 

普遍性と多様性は相反するものであり
どちらも知らなくては真実に辿り着く事が出来ませんが

 

現代においては
多様性ばかりがフォーカスされ
普遍性が軽視されている気がしますし

 

普遍性がどのように現実的に
健康の維持や、人生を豊かにする知識として使えるのか
誰も教わっていないので、分からないのだろうと感じています。

 

僕は、その普遍性の世界を追求していきます。
 

 

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「症状の原因を根本から読み解く エネルギー代謝学」セミナー主宰。細胞レベルの代謝、病理、自然界、食文化を縦横無尽に繋ぐ他に類を見ない圧倒的な俯瞰力と分析力が話題を呼び、全国から多数の現役医師、治療家、薬剤師、美容家、栄養士、料理人、ボディインストラクターなどの健康・治療業界のプロから一般の主婦までがセミナーへ集う。どこにも所属しない、日本で唯一のフリーランスの生化学講師。2019年より「生化学講師が教える 占星術の基本の考え方とホロスコープチャートの読み方講座」を始動。IC魚座29度「プリズム」/MC乙女座29度「読んでいる書類から秘密の知識を得る男」。全ての生命の普遍的な創造原理を、文献や生活の全てから抽出し、具体化するのが生業。

藤原 悠馬ブログYuma's Blog

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= 自然の法則を知ること

藤原 悠馬生化学(生物学) / 西洋占星術
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「症状の原因を根本から読み解く エネルギー代謝学」セミナー主宰。細胞レベルの代謝、病理、自然界、食文化を縦横無尽に繋ぐ他に類を見ない圧倒的な俯瞰力と分析力が話題を呼び、全国から多数の現役医師、治療家、薬剤師、美容家、栄養士、料理人、ボディインストラクターなどの健康・治療業界のプロから一般の主婦までがセミナーへ集う。どこにも所属しない、日本で唯一のフリーランスの生化学講師。2019年より「生化学講師が教える 占星術の基本の考え方とホロスコープチャートの読み方講座」を始動。IC魚座29度「プリズム」/MC乙女座29度「読んでいる書類から秘密の知識を得る男」。全ての生命の普遍的な創造原理を、文献や生活の全てから抽出し、具体化するのが生業。