耐糖能(血糖値上昇率)変化の推移 2015→2018

今日は血糖値と耐糖能について書きます。

耐糖能とは、糖尿病や低血糖症の病状評価に使われる値で、糖質を摂取した後に血糖上昇が低いほど耐糖能が高い、高いほど耐糖能が低いと表現されます。

糖尿病とは耐糖能が著しく低くなった状態を指します。糖代謝機能が低下しているので普通にごはんやパンを食べただけで血糖値が爆上がりし、肝機能低下によりグリコーゲンの蓄積と放出がうまく行かず空腹時でも高血糖を示します。

空腹時高血糖でなくとも、いわゆる予備軍と言われるような食後高血糖を示す人が現代では爆発的に増えました。これは何故なんだろうと、まずは自分の血糖を測って記録し、考察した記事が旧ブログにいくらかあります。

これらはそこそこのアクセス数になり、血糖値実験ブログから僕を知った方も多いと思います。

血糖値測定実験ブログ一覧

  • 測定値の見方 〜血糖値を測ります①〜 
  • おかずがない時代を支えた麦飯 〜血糖値を測ります②〜 
  • 麦飯第2話/穀物は選び方と食べ方で雲泥の差が出る 〜血糖値を測ります③〜 
  • 高糖質・高脂質食の是非 〜血糖値を測ります④〜 
  • パンは本当に毒なのか / 〜血糖値を測ります⑤〜 
  • 古代小麦パスタの実力 〜血糖値を測ります⑥〜 
  • 果物と果糖 / 血糖値測ります⑦ 
  • 血糖値を5分で下げる方法 / 血糖値を測ります⑧ 
  • 激しい運動には糖質が必要?/ 血糖値を測ります⑨ 
  • お米の品種と血糖値、そして耐糖能が上がった件 

※☆から記事へリンクしていますが、3年近く前の知識で書かれたものであり、今となっては訂正を入れたい場所がいくらかありますのでご了承の上読んで下さい。この記事を書いている途中で崎谷先生の「糖は身体に良い」セミナーを受けて謎が一気に氷解し現在に至っています。

この血糖値実験ブログの一連の記録を見ていただければわかりますが、2015年9月から11月の連載当時、なかなかの高血糖を記録していました。

2015年 ある日の昼食後

しっかり米を食べると食後200mg/dlを超えることもありました。一般的には、健康な人は食後140mg/dlを超えないと言われています。

※ただし状況によっては健康な人でも超えたりすることはあると思います。血糖値を見て無駄にがっかりして欲しくないので念のため。

あれから2年半以上経ちましたが、大幅に血糖値上昇は改善されたので再度記録を掲載します。

以下2018年6月14日の1日通した血糖値測定記録です。

朝ごはん

  • 麦ごはん(八分づき米8:押し麦2)
  • 味噌汁(キャベツ、人参など)
  • 卵焼き(醤油、粗糖、バター)
  • 茹でたインゲンと蕪
  • キウイ(よく熟したもの1/4個)

麦ごはんは最初に182gよそった後におかわりを106gで合計288g。栄養価計算サイトでみれば、押し麦の糖質は白米に対して89%なので、白米は288gだと糖質量が106gですが2割を押し麦で計算すると約104gの糖質になります。

概算ですが、おかずは卵焼きが2切れで糖質2g、キウイ1切れが3g、味噌汁と茹で野菜で5g程度でしょうか。合計すると朝ごはん一食で糖質を114g摂取しております。

糖質制限で有名な宗田哲男氏や江部康二氏の見解では「健常人でも糖質1gが食後のピーク血糖値を 1mg/dl 上昇させる(1)」らしく、この食事では食後に114mg/dlの血糖値上昇を起こしてしまう計算になります。

一律にそんな事が起こるわけないんですけど(笑)昔の日本人なんてもっと大量の糖質を摂取して大した血糖値上昇もなかったと考えられます。

しかし糖尿病予備軍的な方、現代に多い甲状腺機能低下した方などは、114gの糖質を一度に摂取すると結構な血糖値爆上がりをするでしょう。

ちなみに、江部康二氏の高雄病院の行っている糖質制限食では

  1. スーパー糖質制限食:主食は1日3食すべて抜く/糖質摂取の目安は1日30~60g
  2. スタンダード糖質制限食:主食は1日2食(夕食と朝食か昼食)抜く/糖質摂取の目安は1日70~100g
  3. プチ糖質制限食:主食は1日1食(夕食)抜く/糖質摂取の目安は1日110~140g

以上のような基準を持っています。プチ糖質制限でも、この1食を食べたら、その日は一切の糖質を制限しなくてはなりません。

食前は106mg/dlでした。この日の起床は朝6時前くらい。

最近の起床は4時半〜6時くらい。起床後の空腹時血糖値は90〜100程度の事が多いです。起床後に何も食べなくても血糖値は上がったりします。活動モードに入ると肝臓はグリコーゲンを放出して血糖をつくるからですね。

とりあえず耐糖能評価は食前からどれだけ上がったかが重要なので、106mgからどれだけの血糖値上昇となったかを見ていきます。

食後です。106mg → 143mgで37mgの上昇です。食事は娘を抱っこして世話しながらだったので、食べ終わるまで26分費やしました。いつもは10分〜15分程度で食べてしまうので、比較的時間をかけたので、食事の直後ですでに血糖値上昇が始まっています。

血糖値を急上昇させるのは砂糖などの甘いものだと思っている方が大多数ですが、お米の血糖値上昇(糖の吸収)は非常に速やかです。

食後30分/119mg

すでに血糖値は下がりました。

食後1時間10分/101mg

食後1時間40分/112mg

中途半端な時間に測っているのはタイマーをかけ間違えたからです(^_^;) 

食後2時間くらいが黒糖大さじ1+小さじ1ほど入れたカフェオレ(糖質18g)を飲みつつ仕事(座ってPC)。 食後2時間50分で109mgです。十分に甘く美味しいカフェオレですが、食後の甘い飲み物はほぼ血糖値に影響を与えません。112mg → 109mgでむしろ低下してます。

朝食(糖質114g)とカフェオレ(糖質18g)で糖質132gを摂取して、上昇ピークは朝食直後の106mg → 143mgで37mgの血糖値上昇でした。

2年以上前はどの程度だったかと言えば「お米の品種と血糖値、そして耐糖能が上がった件 」に記録がありますが糖質90g摂取で以下のような血糖上昇でした。

コシヒカリの白米おにぎり

亀の尾の白米おにぎり

亀の尾1:押し麦2のおにぎり

これらは糖質90g摂取での上昇値であり、今回は114g摂取で37mgの上昇のみ。そして2時間値が以前は高いままだったのも、食前と同等に落ち着いてます。耐糖能はだいぶ改善されたようです。

ちなみに「亀の尾やササニシキなどの品種は血糖値を上げない」と言う方がよくおられますが、そんな事はないでしょう。数値の通りで、どんなものでも白米は白米で、そんなに変わらないと思います。血糖値上昇に圧倒的に変化があるのは押し麦です。

 

昼食です。

  • カンパーニュ、バター
  • ぶんたん、キウイ、バナナ
  • カマンベールチーズ
  • 生ハム

食前血糖値は93mg/dlです。

カンパーニュ86g=糖質36g

ぶんたん115g=糖質10g

キウイ54g=糖質6g

バナナ63g=糖質13g

チーズ、バター、生ハムにはほとんど糖質がありませんので、昼食の糖質総量は65gです。パンや果物は血糖値を上げるような印象があるのかもしれませんが、米に比べるとたっぷり食べても一般的には糖質量は少なめになります。やはり圧倒的にたくさんの糖質を摂取することになるのは米や押し麦などの炊いた穀類と麺類です。

12時46分食事開始〜13時7分食事終了で食事に費やした時間は21分。

93mg → 129mgで、食前から36mg上昇しました。

食中からブラックコーヒーを入れて飲みました。食後30分/129mgで、食事直後と変わらず。

食後1時間/93mg

食後1時間半/115mg

食後2時間/93mg

昼食で糖質総量65g摂取で、食前の93mg → 食事直後、食後30分の129mgが血糖値上昇ピークで36mgの上昇という結果になりました。

「パンは本当に毒なのか / 〜血糖値を測ります⑤〜 」や「果物と果糖 / 血糖値測ります⑦ 」で記録されている通り、パンと果物は食べ合わせによってはそんなに血糖値を上げないです。

これはほとんどの方に当てはまると思うのですが、なぜか「パン=血糖値急上昇」で「お米は大丈夫」そして「甘い果物はダメ」のような認識が結構広く見られます。血糖値に関しては、ほとんどの方が刷り込みとイメージで語っており、実際に測定したことが無いからですね。

パン食の方が総糖質量が少なくなるし、脂質摂取量が多くなるし、消化が悪いので、パンが血糖上昇が穏やかなのは当然です。

夕食です。

  • 8分づき米ごはん
  • 豚肉、もやし、ニラ、キャベツなどのポン酢炒め
  • じゃがいも、モロッコいんげん、ミニトマトのサラダ
  • キャベツとにんじんのお味噌汁

あと、泡盛の水割りを1杯(200cc程度)飲んでます。アルコールは血糖値を上げたり、下げたり、人それぞれ影響が変わりますが、健常人において適量の食事中のアルコール摂取は代謝を活性化させてインスリン感受性を高めると僕は考えています。

押し麦は血糖値上昇を抑えてしまいますので、お米だけで実験しました。我が家は8分づき米(8割糠層を削ったお米)にしてます。ほぼ白米な感じです。

200g=糖質73g

その他の糖質としては、じゃがいも、ミニトマト、味噌汁、炒め物の手作りシークワーサーポン酢に含まれる砂糖やみりんなど……まあだいたい90g程度の総糖質量になっているのかなと思います。

食前で105mg/dl

食事直後123mg。食事には38分費やしました。ひとりだと10分ちょっとで食べきってしまうのですが、赤ん坊を抱っこして世話しながらだと必然的にゆっくり食事できて良いです。

食後30分/134mg

食後1時間/112mg

食後1時間半/126mg

ピークは食後30分で134mgだったので、食前血糖値105mgから29mgの上昇でした。

この日は9時ごろに寝てしまったので、1日の食事はここで終了。総糖質摂取量は287gです。大きな血糖値上昇や乱高下はありませんでした。

ちなみに脂質摂取量が増えるほど、血糖値上昇が抑制される傾向があります。旧ブログにもそのような測定記録を多数掲載しました。この日はどの程度の脂質摂取だったかというと、朝ごはんは調理油として卵焼き2切れでバター1.5g(脂質1.22g)、昼はバターを美味しいと思うくらい十分な量にカマンベールチーズ1/4個、夜は炒め物は4人分で小さじ2程度のバター、サラダは小さじ1程度のココナッツオイルなので、一人あたりの調理油としての脂質摂取は大さじ1/4程度で、あとは豚肉と卵に脂質がある程度含まれます。

昼はやや高脂肪食ですが、朝は低脂質食、夜もそんなに多くない比較的低脂質な感じです。

以上、2018年6月18日、朝、昼、晩ごはんの食後血糖値推移レポートでした。解釈諸々は、長くなりすぎたので別記事にします。
→続き「糖質を摂取することで耐糖能は上がる

しかし1日中指先に針を指し続けるのは非常に不快です。これを数日繰り返していると、指が穴ぼこになって来ます(^_^;)

参考文献

(1)J. Lipid Nutr. Vol.19, No.1 (2010)
“<総説>超低糖質食評価研究から見えてきた食事指導の問題点 “

 

藤原 悠馬生化学講師、
EMFA1級電磁波測定士、整体師

「症状と食事を読み解く生化学セミナー」主宰。細胞レベルの代謝、病理、自然界、食文化を縦横無尽に繋ぐ他に類を見ない俯瞰力と圧倒的なリサーチ力、分析力が話題を呼び、全国から多数の現役医師、治療家、美容家、栄養士、料理人、ボディインストラクターなどの健康・治療業界のプロから一般の主婦までがセミナーへ集う。どこにも所属しない、日本で唯一のフリーランスの生化学講師。MCサビアンシンボルは乙女座29度「読んでいる書類から秘密の知識を得る男」。知識の中に留まる事なく実践と行動から現実と知識に架け橋を作り続ける。

藤原 悠馬ブログYuma's Blog

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= 自然の法則を知ること

藤原 悠馬生化学講師、
EMFA1級電磁波測定士、整体師

「症状と食事を読み解く生化学セミナー」主宰。細胞レベルの代謝、病理、自然界、食文化を縦横無尽に繋ぐ他に類を見ない俯瞰力と圧倒的なリサーチ力、分析力が話題を呼び、全国から多数の現役医師、治療家、美容家、栄養士、料理人、ボディインストラクターなどの健康・治療業界のプロから一般の主婦までがセミナーへ集う。どこにも所属しない、日本で唯一のフリーランスの生化学講師。MCサビアンシンボルは乙女座29度「読んでいる書類から秘密の知識を得る男」。知識の中に留まる事なく実践と行動から現実と知識に架け橋を作り続ける。