2019年に投稿したブログ記事を一部編集して再投稿します。
代替医療に携わる人の中には「自分たちが社会の闇、大きな力と闘っている、社会的に良いことをしている」と考え、自分たちのビジネスを過剰に崇高な活動と考える傾向があります。
「お薬に頼らない子育てを応援」と活動している私。
予防接種の講座も開催していますので「現代医療よりも代替医療派」という印象があるのかなと思っています。
確かに当時の私は現代医療に疑問を持ち始めたことがきっかけで今の活動に至ったわけですが、代替医療も同様な問題があり、これは非常に重要なことだと思ったのでこのことについて今回は綴ってみようと思います。
どちらも「自分たちがやっていることが善」という意識があることが、その問題の根底だと考えています。
看護師を10年していた私。大学病院では整形外科、ICU(集中治療室)、手術室での勤務経験があります。他には中規模の病院、婦人科クリニック、介護施設でも働いてきました。
当時は看護師という仕事が本当に大好きで、患者さんと接することに何よりもやりがいを感じ、目の前の患者さんに私が提供できる看護とは何か、と常に考えていました。
いつしか「患者さん」という意識で目の前の方と接している自分に違和感を感じるようになり、患者さんという状態になる前に私自身が何か出来ることがあるんじゃないか… と、そこから自然療法と呼ばれる世界に興味を持ち、アロマセラピー、リフレクソロジー、整体系、ハーブ、ホメオパシー、食事療法(マクロビなど)といった、自然療法、代替療法と呼ばれる世界にのめり込んでいきました。
どうしてのめり込んだかといえば、西洋医学では重視していない何か本質的なものが代替医療の世界にはあるように見えたのですよね。
患者さん一人ひとり、その人の体質を理解し、本当の意味で治癒できる世界がそこには存在しているように思いました。
そして子どもを産んだことも重なり「お薬になるべく頼らない子育て」を推奨すべく活動も始めました。
この頃の私は「現代医療は悪」という意識が少なからずあったと思います。現代医療の在り方に疑問を投げかけている医師のSNSからの影響も大きかったと思います。(そのまま鵜呑みにしてしまった私の問題です。)
確かに、現代医療にも問題はあると今も考えています。
ただ、だからといって代替医療の世界は「人の健康、命を左右する」ということへの意識は現代医療よりも低いのでは…
今はそう感じています。
私のたった10年間という看護師経歴の中での話となりますが、特にICU(集中治療室)や手術室はやりがいを感じながらも、命に直結するその重圧がとても苦しく。人生で最もストレスの大きい頃でした。
現代医療の医師たちにとって自分の選択が患者さんの命にダイレクトに左右するということは当たり前の事実だと思います。命を救うために、その症状を一時的に抑える薬や治療はもちろん必要です。
その反面、目の前の患者さんを見ず病名ばかりを見て薬を処方するのみ、診療ガイドライン通りの一方通行の診察…。そもそもその症状や病気がなぜ起こっているのかといったことを追求する医師に出会うことは少なかったです。
ただ、代替医療を取り入れた病院で勤務もしましたが、便秘という主訴があれば皆に同じ漢方を処方。現代医療と用いるアイテムが変わっただけでした。
これは分子栄養学などを取り入れ、一見「根本治癒をしている」と謳っている病院も同じと思っています。
私自身、ステロイドという薬を長年使い続けたことによる影響を強く感じています。もちろん、その症状の本当の原因は私自身だと思っています。そのことは過去にブログで綴っています。
ただ現代医療の多くがアトピーにはステロイドで症状抑制、という短絡的な考えの結果、その後の症状に悩んでいる患者さんが多いのは事実だと思います。もちろん中にはステロイドを一時的に用いて治癒した患者さんもいる。その違いを追求しないからこそ、これだけ混乱が生じているのだとも思っています。
これは代替医療も同じ問題を抱えています。
話を戻して…
そんな現代医療の世界を一括りにし「そもそも現代医療の仕組みが問題」という根拠が曖昧な情報を精査することなく鵜呑みにすることは、非常に危ない思考だと思っています。
その結果、代替医療を推奨している側は自分たちの行なっている療法(情報)を「私たちは社会にとって良い行いをしている」といった考えになりやすいと思います。
私にも、そういった気持ちがあったと思います。
・社会の問題を知っている(と思い込んでいた)自分
・問題を知らない大多数の人
だからこそ啓蒙しなくては!という謎の正義感。
これが健康に関係のない仕事ならまだしも、健康に寄与する、むしろそれを講座という形で対価をいただいていたわけです。
過去の私も含め、代替療法の世界は、発信している内容が人の健康にダイレクトに関わっているということへの意識が非常に低いと感じています。
特に食事に関しては
・科学的根拠もなく発信する
・効果が不明なサプリや食品を勧める
・基準値の根拠も不明な自費診療の検査をして指導する…等
現代医療の医師たちから「トンデモ」と比喩されるのも仕方のないことだと思います。
さらに代替医療側の問題点は、現代医療のあり方を「問題」とすることで「自分たちの行なっていることは善」というマインドになりやすいことだと思います。大きな敵、大きな問題に立ち向かっている、といった具合に。
「社会のために私は活動している」と思い始めた時も要注意です…
これは以前の私がそうだったのですが^^;そういった時はなぜか自分が行なっていることに疑問を持ちにくくなると思います。
だからこそ、そこで問題を指摘されても真っ当な議論が成立しにくい。なぜならば「自分の行なっていることは社会のため」だから。
自分は良いことをしている。社会のために啓蒙している。現代医療から気づく人を増やしている。
健康のことを扱っている場合、この思考は非常に危険だと思います。啓蒙と思い込んでいる内容が健康上に問題が生じると指摘しても「現代医療が行なっていることが問題」という意識がある故に自分が間違っているかも、という視点が欠けてしまう。
自分が善と思い込むことで別の意見を排除する。
それは本当の意味で社会のためになるのでしょうか…
ここまで。
この記事を書いたのは2019年、5年経過し、悠馬くんの精巣がん罹患もあり、さらに様々な代替医療にも関わり、メタトロン、タイムウェーバーも導入…と、代替医療の世界への見解は当時よりも深くなっています。
そして、深く介入すればするほど、代替医療の闇を目の当たりにしました。
予防接種講座に関しても、再開のご希望をいただくこともあります。
以前はワクチンなんて打つから問題が発生するんダー!全て不要ダー!的な完全な反ワク思考だったので、答えがもう明確、発信も講座も迷いはありませんでした。
当時、2024年7月の東京都知事に立候補している、うつみさとる医師からは大きな影響を受けました。というよりも鵜呑みにしました。(現在は彼の考えには賛同していません。)
そこから大幅に見直して再開したの以下の講座です。
この講座の内容は自信を持って提供できる内容でしたが、見直し、アップデートが必要です。
免疫の仕組みは単純ではなく、自然に罹患することが出来なくなったからこそ、ワクチンが必要という視点も考慮して考え直す必要があることや、ヒブや肺炎球菌ワクチンが始まってから髄膜炎の患者さんが減っているのも事実です。
反ワクチン時代は免疫の仕組みへの理解度、そもそも、理解しようという思考レベルが圧倒的に低かったです。科学的思考が欠けていても陰謀論で考えることで科学を軽視し「ワクチンは不要」と結論を決めていました。
代替医療に携わる人誰しもが陰謀論的な思考ではありませんが、反ワクチン思考の人には陰謀論思考が多く、また、メタトロンを扱う人たちの中にも多いです。(内海医師や、バニラさん、崎谷医師を筆頭に。)
代替医療を否定しているわけではありません。私たちもメタトロンやタイムウェーバーを提供しています。現代医療はまた別の問題、課題があると思いますが、そもそも役割が違うとも思っています。
ただ、代替医療に深く携わり、その教祖的な存在の人たちと関わる中で、問題だと言わざる得ない現状を目の当たりにしてきました。そこに対し声をあげる人がいないため、この界隈は科学ではなく教祖が言ったことが正しい、という何でもありの無法地帯となっています。
声を上げることができないのはなぜなのか。私自身もわかるところがあるので、以下がその理由だと思います。
■今のコミュニティを失いたくない
■今まで投資したお金、時間が間違っていたと思いたくない
■健康のため、家族のため、社会のため、という自分の思いを肯定したい
■相手を否定すれば自分への責任が強くなるのを避けたい
でも、もし違和感があるのならば、ここに目を背けている限り、自分自身の闇は深くなる一方です。
悠馬ブログで具体的に、代替医療の問題点を解説しています。
7月23日より生化学、エネルギー代謝学講座が開講します。
生化学はバニラさん、崎谷先生の啓蒙により、普通のママたちも「生化学に基づいた」と謳い情報販売をしています。
生化学は本来、とても難しいものです。看護師をしていても精通している人はほぼいなく、医師の中でも一部です。
「ママのための生化学」と簡略化し、結論ありき(蜂蜜療法ありき)で科学を考えることで間違った解釈となる。科学に基づいたのではなく、思想として謳うべきです。
純粋に、科学を、生化学を学びたいと思う方、生命の仕組みを学びたいと思う方、ぜひ挑戦お待ちしています。
末っ子が保育園に入園し、園生活にも慣れてきたので、まずはタイムウェーバーセッションを再開に向けて始動していきます。予防接種講座はとても安易には出来ず、学び直していきます。お話会的なものは出来たらいいなぁと思ってはいますが、現時点では未定です。
病院復帰も控えていますが、現役の医療者だからこそ偏らない視点で発信できることが私の強みだと思っています。
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